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YouTube、生成AIなどで改変・合成されたコンテンツをラベルで示す仕組みに

2024年03月21日 12時15分更新

文● @sumire_kon

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開示機能の利用イメージ(YouTube Creator Studio)

開示機能の利用イメージ(YouTube Creator Studio)

 YouTubeは3月19日、改変または合成されたコンテンツであることを、クリエイターが視聴者に開示する仕組みを導入すると公表した。コンテンツの透明性を高め、視聴者が改変や合成の有無を見分けられるようにすることが目的だ。

実際の出来事などと勘違いしやすいコンテンツが対象

 今回導入される仕組みは、「視聴者が実際の人物、場所、出来事だと勘違いしやすい、実物のように見えるコンテンツ」を対象としたもの。例えば以下のようなケースが当てはまる。

・実在する人物のように見せている……実在の人物の顔を実在する別人の顔に置き換えたり、合成した人物の声を動画のナレーションとして使用しているコンテンツ
・実際の出来事や場所の映像を改変している……実在する建物で実際には発生していない火災が発生しているように見せたり、実在する都市景観を実際とは違って見えるよう改変しているコンテンツ
・現実的な風景を生成している……実在する都市に向かって移動している竜巻など、架空の大きな事件をリアルに描写したコンテンツ

 上記のようなケースではクリエイターが視聴者に対し、改変または合成されたコンテンツであること開示することを求められる。開示設定は「YouTube Creator Studio」から可能だ。

 開示の必要性は「コンテンツの改変、合成の有無」が基準であり、作成手法は問わない。生成AIによる加工も、AIに頼らない方法での加工も、上記の基準に該当するコンテンツは等しく開示対象となる。

 一方、生産性を高める目的で生成AIを利用する場合や、合成されたメディアが明らかに非現実的である場合、改変自体の重要度が低い場合などは開示対象外となる。具体的には以下のようなケースだ。

・スクリプトの作成、コンテンツのアイデア出し、自動字幕起こしなど、生産性を高めるために生成AIを使用している場合
・アニメやファンタジーの世界でユニコーンに乗っている人間など、明らかに非現実的なコンテンツ
・色の調整や照明フィルタ
・背景ぼかしやビンテージ調などの特殊効果
・美肌加工フィルターなどの視覚効果

YouTubeアプリなどへ段階的に導入

 情報を開示したコンテンツでは説明欄にラベルが表示されるが、医療や健康、ニュース、選挙、金融といったデリケートな内容を扱うコンテンツに関しては、動画プレーヤーにもより目立つ形のラベルが表示される。

説明欄でのラベルの表示例

説明欄でのラベルの表示例

動画プレーヤーでのラベルの表示例

動画プレーヤーでのラベルの表示例

 ラベル表示は段階的に展開予定。YouTubeによると、まずはスマートフォンアプリから導入し、順次、PCとテレビ向けに拡大していくという。

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