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アジアがWeb3、NFTのイノベーションを押し上げる 国内外のキーパーソンが議論

「Web3 Beyond Borders Tokyo(Web3BB Tokyo)」レポート

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 現在、世界的なインフレの加速やシリコンバレー銀行の破綻、株の下げ相場、ロシアとウクライナの戦争など様々な要因で人が投資することを尻込みしている背景があり、Web3が厳しい状況にあると分析。

「でも私は、マーケットはそんなに悪くはないと思うんです。だって、コロナ禍の一番ひどい下げ相場だった時は1イーサリアムが150ドルくらいでしたが、今は約2000ドル。ということは約1兆2000億ものマーケットです」

 さらに、次のビットコインの半減期と2024年実施される米大統領選挙、インフレ率の減速などを考慮すると、1年半から2年以内に上げ相場に転じるとの予想を披露。厳しい時期の先に希望をみていると示された。

 続いて成功したWeb3の事例として、スターバックス、ナイキ、リーボックなどを挙げ、どれもWeb3について、ましてやNFTとさえ、大々的に謳っていないことを指摘。当たり前のように活用されるタイミングでは、その詳細技術に関してあえて紹介するようなことにならないのだろうとも言う。

 ファッションやアート、文化、ビデオゲームやメタバースといったものがイノベーションをリードし、テクノロジーに影響を与えていると指摘。

「私はビデオゲームに興味があり、様々なゲーム会社に注目しています。次のブームはアジアから起こると思っています。なぜなら、アメリカのゲーマーはNFTを別の市場だと考えているからです」

 さらに、Web3を世界的に盛り上げていくには、イノベーションを続け、資金を獲得し続けなければならないと言う。優秀なプロジェクトには資金が集まり、そうでないものは淘汰されていくのを繰り返し、洗練されていくことに期待をにじませた。

「ずっとイノベーションをし続け、挑戦をし続けていると突然人気が出てくるものです。ですから、NFTを含めさまざまなシステムにいずれ人気が戻ってくると思いますし、現在非常に厳しい状況にありますが、また盛り上がると思います。最もいい方法としてはWeb2の企業に声かけをして、共にコラボレーションをし、Web3になるよう働きかけていくことです」

 現在、SEC(米国証券取引委員会)が仮想通貨を敵視しており、仮想通貨市場はアメリカでとても低迷している。アメリカでイベントをしても日本、香港、シンガポールほど人が集まらないのだという。実際、多くのWeb3仲間も仮想通貨に友好的な国(ドバイやシンガポール、香港、ポルトガルなど)に移住しているが、多くの人がいずれアジアに来ると予想している。

 世界各国で、状況はそれぞれ異なるが、Web3に関して状況が進みつつある。そうなると、もう他国は米国を待っていられないのでは?と指摘。

「もし、市場が開いたら開発者、企業、投資家を呼び込み、規制がイノベーションを後押しし、各国の競争力はさらに高くなるでしょう。そうなれば米国は遅れをとるでしょう」

 日本企業へのアドバイスとしては、たくさんのブロックチェーンのハブや利用している企業を見て成功例に触れることを挙げ、「私はいつも『コラボレーションと探索を!』と言っていますが、実際にグローバルなカンファレンスに参加し、もっとコラボレーションしてください。トレーダーや投資家、ビルダーがプロジェクトのレベルを底上げしてくれます」と締めくくった。

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