佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第147回
個人情報を保つためには、イヤホンの生体認証機能も必須となる?
第2世代AirPods Proから見えてきたイヤホンの新しい使用法
2022年09月12日 13時00分更新
耳穴のパーソナライズは、高音質化のためだけではない?
実は「AirPods」関連ではもう一つ興味深い話題があった。
それはアップルがイヤフォンの生体認証に関する特許を取得したことである。これはUS特許番号11,438,683「User identification using headphones 」で公開されている。
目的としてはAirPodsをiPhoneのサインインに使用するというよりは、生体認証を用いてAirPodsが持ち主のものであるかどうかを確認するためだ。
これは特許の中で「発明の背景」という項に記述してあるのだが、イヤホンがスマートフォンのアクセサリーであるということは、スマートフォンの情報がイヤホンを通して暴露されてしまう可能性がある。例としてはテキストメッセージの読み上げなどがある。そこで、ユーザーがそのAirPodsを使えるかどうかを生体認証で確認するわけだ。
具体的にはどうやってユーザーの識別をするのだろうか。「Patently Apple」に例が書いてあるのだが、イヤホン装着時に超音波エコーなどを発信し、内蔵マイクで耳穴の個人差を測定。これを生体認証に用いるというものだ。そうすれば心拍測定や指紋認証などの追加センサーが必要がないので、従来製品にも適用ができる。ただし内蔵マイクを使用するのでAirPods Proは必要となるだろう。
これはイヤホンがただ音楽を聞くためのものではなく、すでにIT機器の一部であるということを再認識させてくれるニュースだといえるだろう。
この連載の記事
-
第284回
AV
JBLによる2つの新提案「LIVE BEAM 3」と「Fit Checker」を体験してきた -
第283回
AV
グーグル、プロも驚く音楽生成AI「Music AI Sandbox」を開発 -
第282回
AV
液晶をタッチして操作する、Volumioの新ネットワークプレーヤー「Motivo」 -
第281回
AV
HIGH END Munich 2024出展製品から、気になるエントリーオーディオをセレクト -
第280回
AV
水月雨がオーディオファン向けスマホを開発、複雑になりすぎたスマホ高音質再生への問いかけ -
第279回
AV
Chordの積み木型オーディオシステムが面白い、「Suzi」と「Suzi Pre」 -
第278回
AV
さすがにSpotifyもロスレス対応しそう、Redditユーザーがさらに解析結果をリーク -
第277回
AV
スマホがLE Audioに対応していなくても、なぜAuracastを使えるのか? -
第276回
AV
Amazon Musicも生成AIを使ったプレイリスト作成機能提供、あいまいな指示に応える -
第275回
AV
ソリッドなステンレス筐体とK2HDサウンド、iFi audioの「Go bar 剣聖」 -
第274回
AV
いよいよSpotifyもロスレス配信か、Redditに解析情報 - この連載の一覧へ