このページの本文へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第762回

軽くて素晴らしい望遠ズームは猫撮りに最適!

2022年05月09日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

うららかな春の日。公園のベンチで気持ちよく寝てるハチワレを望遠でこっそりと。撮られてるのに気づかず気持ちよく寝てるのがいい。2022年4月 キヤノン EOS R6

 フルサイズセンサーのミラーレス一眼って画質も良いし高性能だしでとてもいいんだけど、一眼レフからミラーレスになってカメラはコンパクトになったけど、レンズが大きくて重いからトータルではあまり変わらないんだよね、と思うのである。特にフルサイズセンサーミラーレスがどっと出てきた数年前は、まずはミラーレス一眼はこんなに高性能で高画質なんだとアピールすべく、高性能だけど高価で重くて大きいレンズが先に揃ったので余計に思ったのだ。

 要するに、ガチで作品を撮るぞって人にはいいけれども、散歩しながら出会った猫を撮りたい、みたいな散歩人にはちとヘビーだった。

 でもここ1~2年でちょっとトレンドが変わってきた。軽くてコンパクトなレンズが出てきたのである。そしてとうとう、キヤノンがやってくれたのだ。なんと100-400mmでありながら約685gという軽量望遠ズームレンズの誕生である。今までこのクラスの望遠ズームは1.3kgオーバーが当たり前だったから、いきなり重さ半分! これはめちゃありがたい。

EOS R6にRF 100-400mm F5.6-8 IS USMを装着。見た目以上に軽くて扱いやすい望遠レンズなのだ。これは楽しい

 400mmあればかなり遠くから狙えるので、猫がこっちに気づく前に撮れる。猫が見られてることを意識してない写真を撮れる。そっと観察してみた感が好きな人にはいい。今日の1枚目はそんなシーン。くつろいでゴロゴロしててたまらん2匹である。400mmならではの距離感だ。

この日か暑かったので猫は日陰でまったり。2匹がくつろいでる姿が微笑ましい。2022年4月 キヤノン EOS R6

 このあとガン見してたのに気づかれて白い方が起きちゃったわけで、いきなりこっちに歩きはじめたのである。

猫がいきなり歩き出しても猫瞳AFがあれば問題なし。400mmで撮ってるので実際にはけっこう離れて撮っている。2022年4月 キヤノン EOS R6

 そして目の前を横切っていったのだった。

かなりの大望遠ながら最短撮影距離は近いので、猫が目の前を横切ってもちゃんとピントも合ってくれる。2022年4月 キヤノン EOS R6

 ここまでの3枚は全部400mmで。400mmだけどけっこうギリギリまで寄れること、EOS R6の猫認識AFが優秀なことで、こっちはしゃがんでファインダーをのぞいて猫の動きを追いつつシャッターを切っていただけなのだった。素晴らしい時代だ。

 EOS R3/5/6で猫を撮るときはAFを「サーボ」にして(常時フォーカスを合わせ続ける)、AFを動物認識優先にして、AF-ONボタンを親指で押しっぱなしにして(そうするとAFが働くのでどこにフォーカスを合わせてるのかわかる)、あとは撮るだけだ。さっきの猫は別の場所で落ち着いていたので地面すれすれからアップで。

ぎりぎりまで近づいて顔のアップ。ほわっとした落ち着いた顔の猫なのであった。2022年4月 キヤノン EOS R6

 望遠ズームレンズをカメラに装着しっぱなしでぶらぶら散歩する(実際には自転車でちんたら動いてたのだけど)のはなかなか楽しい。公開されているっぽいつつじ畑を見つけて覗いてみたら、いきなり猫と目が合ったり(互いにびっくりして逃げられてしまった)。

つつじ畑の中で互いにばったりしてびっくり。あ、猫だ、としゃがんで1枚撮ったところで逃げられてしまった。こっちもつつじを撮るつもりで猫に出会ったのでびっくりである。2022年4月 キヤノン EOS R6

 軽い望遠レンズだからこそ撮れる瞬間ってのがあるのが楽しい。そして、とある公園の脇を通り過ぎようとしたとき、ベンチに違和感を感じたのである。これはもしや、とちょっと離れたところに自転車を止め、そっと近づくとやはり猫。しかも、2匹がそれぞれベンチを占領して寝てる。

 この日はポカポカと暖かくて昼寝日和だったのだ。平日で人もこない自然が残る公園らしい光景だ。ただなんということか、黒い猫が日陰に、白い猫が日向にいるのである。明暗差がありすぎてカメラが困るパターンだ。

 こういうときはもう黒い猫に合わせると白い猫が白トビしちゃうし、白い猫に合わせると黒い猫が暗くてよくわかんないし。しょうがないのでRAWで撮ってあとで両方がそこそこわかるように現像いたしました。

日向の白い猫と日陰の黒い猫というなんともカメラ泣かせな構図なのだった。でも黒い猫の方が日陰に行きたくなるよね。暑いから。2022年4月 キヤノン EOS R6

 黒猫はすぐ起きちゃったけど、白猫はのんびりと気持ちよさそうに寝てたので、望遠でこっそり撮ったのが冒頭の写真。実はどちらも近づいても逃げないくらいに人に慣れてて、黒猫もこっちが脅かしたり手を出したりしないとわかると安心して寝てしまった。

 なので丸くなって寝てる黒猫の方もアップで。ぱっと見て黒猫だ、と思うのだけど、こうしてじっくり撮ると、顔は黒いけど体は茶色なのがわかって面白い。どちらもきちんと耳がカットされているので、去勢したあとでリリースされ、誰かが定期的に世話をしに来てるのだろう。

安心して寝てる黒猫、なんだけどカメラの目はごまかせないのだった。よく見ると体や尻尾は茶色いのである。それもまたワイルドでよし。2022年4月 キヤノン EOS R6

 こんな調子で、コンパクトでこのクラスとしては非常に廉価の望遠ズームレンズのみで散歩してみたのだけど、やっぱ軽いのは素晴らしい。普段は撮れない距離で撮れない雰囲気を撮れるから、持って出ると楽しいのだけど、重くてかさばるので「今日はこのレンズが必要」ってとき以外はつい家で待機させちゃうのだ。

 でもこの「RF 100-400mm F5.6-8 IS USM」なら気軽に持ち出せる。もちろん安くて軽いにはわけがあって、たとえば開放F値が小さいのだけど、そこはISO感度を上げてカバーできるし(幸いイマドキのフルサイズセンサーミラーレス一眼は高感度にすごく強いのだ)、防塵防滴構造になってないけどそんな苛酷なところにもっていかなければいいのだし(雨の日は気をつけよう)、質感がちょっとアレだったりするのだけど、それ以上にかまえるときに「よっこらしょ」と言わなくてよいし、猫が急に動いても瞬時に振り回せるのは魅力である。

 猫望遠ズームとしてEOS Rユーザーにオススメだ。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン