それにしても暑いにもほどがありますな。猫はオモテに出てこないし、人だってオモテに出て這いつくばって猫に近づいてる場合ではないわけで、みなさま涼しいところでお昼寝するのがよさげである。
そして、18時過ぎ。日が沈む準備をはじめ、直射日光に悩まされることもなく、気温も下がりはじめる(といっても、35度が32度になるくらいなわけだが)頃、おもむろにカメラを持って散歩にいくのである。
江戸時代、そんな夕暮れの薄暗い時刻を「逢魔が時」と呼んでいた。大きな禍いが起こる時間で「大禍時」(おおまがとき)が語源という説(大言海)もあるが、要するに、急に暗くなって事故が起きやすい、魔物に逢いやすい時間ってわけで、もともと「おうまがとき」という音があり、「おうま」を「逢う魔」に当てたっぽい。
街灯も何もない時代、油断してると空が赤く染まり町は急に暗くなり足下がおぼつかなくなる不安な気持ちが伝わる言葉だ。
そんな時刻になると、強すぎる日差しを嫌って風通しのよい隙間に隠れていた猫たちがのそのそと姿を現す。
これを「逢猫が時」と書いて「おうにゃがとき」と呼ぶ。いや、今思いついただけです、すみません。
というわけで、夏の「逢猫が時」が今回のテーマだ。
だいたい日没の前後30分ずつくらいだけど、今回はもうちょっと拡張して、18時から20時に撮った猫写真をピックアップしてみた。
この時間、実は猫には出会えるけれども、撮るのは難しい。人間の目が感じる以上に、すでに「暗い」から。常に手ブレや猫ブレに注意しつつ撮るべし。
18時12分、日没前だがアパートが林立する住宅街はもうとっくに日が当たらなくなって薄暗くなりかけ。
隠れていた猫がおもむろに顔を出す。たまたま人なつこい猫がいたので呼んでみると、とことこと近づいてきたので中望遠で1枚。
夕暮れ猫撮影用に明るめの単焦点中望遠レンズを持ってきてたのだ。
顔のアップはちゃんと目にピントを合わせること……が鉄則なのだけど、次の写真は鼻にピントが合っております。こっちのミスなのだけど、ちょうど口元に表情が出た瞬間だったので怪我の功名的な意味で採用。
18時34分。
住宅街の小さな公園。2つのベンチそれぞれで猫がニャツばて中。両者のぐだぐだっぷりがたまらんので、気づかれないように公園の外から1枚。
公園名が入った看板はモザイクをかけさせていただきました。
太陽は沈む直前で薄暗くなったが、まだまだ暑い時間。のそのそとベンチまで出てきたものの、まだ暑くてぐだっとしております。
18時36分。
ベンチの猫にそっと近寄ったら逃げもせず、威嚇されました。
いや威嚇はウソ。単なるアクビ顔。
18時51分。
日没の頃、どこからともなく公園にやってきた猫。ベンチの下にそっと隠れていたのを発見。
この連載の記事
-
第872回
デジカメ
富士フイルム「X-T50」は小型・軽量で取り回しやすいから猫撮り散歩にピッタリだ -
第871回
デジカメ
渋めのレトロ調から白黒まで、富士フイルム「X-T50」は多彩なフィルムテイストで猫撮影が楽しめる -
第870回
デジカメ
望遠が優秀で画質もトップレベルのシャオミ「Xiaomi 14 Ultra」を持って街の猫とたわむれてきた -
第869回
デジカメ
猫の毛並みもキリッと描写! シャオミ「Xiaomi 14 Ultra」はスマホなのにスゴい優秀なコンデジだ -
第868回
デジカメ
14年前のコンパクトデジカメ、10倍ズームのキヤノン「IXY 50S」を引っ張り出してキジトラ三昧 -
第867回
デジカメ
予約しないと買えない本格派コンデジ、リコー「GR III HDF」と「GR IIIx HDF」で気軽に猫スナップ -
第866回
デジカメ
5倍や10倍望遠で撮れ、Sペンがリモートシャッターにもなる「Galaxy S24 Ultra」は猫撮影で重宝する -
第865回
デジカメ
4つのカメラを搭載したサムスン電子「Galaxy S24 Ultra」は猫の顔アップもピシッと撮れる -
第864回
デジカメ
”猫撮影の基本”第3弾! 背景やボケ具合をコントロールするとよりイメージどおりの写真が撮れる -
第863回
デジカメ
”猫撮影の基本”第2弾! 広角と望遠の特性を知って使い分けると写真のバリエーションがぐっと広がる -
第862回
デジカメ
構える高さを工夫すると猫写真は大きく変わる! 新年度なのであらためて猫の撮り方ノウハウをご紹介 - この連載の一覧へ