2015年に打ち上げ予定のジオスペース探査衛星にはルネサス製プロセッサとリアルタイムOS「T-Kernel 2.0 AeroSpace」が搭載される。このたび、この組み合わせの評価キットが6月より市販されることになった。
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は5月16日、航空・宇宙分野向けにTRONをベースとした高信頼リアルタイムOS「T-Kernel 2.0 AeroSpace(T2AS)」を開発、ルネサス エレクトロニクスの車載用マイコン「SH72544R」に移植したと発表した。このシステムは2015年に打ち上げられ、太陽風によって生じる地球近傍の高エネルギー粒子(いわゆるヴァン・アレン帯)を観測するジオスペース探査衛星(ERG)用に開発された。
ルネサスはT2ASの移植を契機に、同製品を宇宙航空分野へ向けて販売することにした。T2ASとSH72544Rを搭載したボードは評価キット「SH72544R T2AS評価キット」として、ユーシーテクノロジより宇宙航空分野の企業や大学向けに発売される。SH72544RB(SH2A シリーズ)のクロック数は最大200MHz、インターフェイスはCAN×2ch(HA13721R)/USB(シリアル通信)、A/Dコンバータ入力×37、動作電源は5V(USB給電でも動作)。ボードサイズは73×90mm。