東芝は3月27日、グループ内部に分散していたヘルスケア関連を統合し、社内カンパニー「ヘルスケア社」を7月1日に設立すると発表した。
これまでCTシステムなどの画像診断装置や医療ITを手がける東芝メディカルシステムはヘルスケア社組織の傘下となり、世界135ヶ国に納入実績のある顧客基盤や営業資産を活用してメディカル・ヘルスケアを一体化する。また、現在は電力システム社で手がけている重粒子線がん治療システム、部品材料統括部で手がけているでDNA検査キットなども統括されることになる。
東芝ではヘルスケアの「予防」、「診断・治療」、「予後」、「健康増進」の分野それぞれに同社が持つ広範囲な技術を投入し、ヘルスケア事業を東芝の事業基盤のひとつに成長させる。事業規模は2015年度には6000億円の売上目標を目指し、2017年度には1兆円規模に拡大する予定。
東芝では新たなヘルスケア事業が目指すものを「異次元のヘルスケア」と謳っており、従来からの各種医療機器分野の技術進歩に加え、ウェアラブルデバイスを用いた健康管理、クラウドの活用、ビッグデータ解析、さらには植物工場や空気清浄といった環境分野も統合するという。
高齢化社会に向けてヘルスケア事業を手がけ始める起業が多いが、パソコンやAV機器、半導体から発電所まで手がける東芝が持てる技術を活用して本気になって推進するのだから、中小企業が新たに介護サービスを始めましたというのとは次元が違う、本当に“異次元のヘルスケア”サービスが実現するかも知れない。