ユビキタスエンターテインメントは3月14日、手書き特化端末「enchantMOON」に大幅な改善を加えた「enchantMOON S-II」を発表した。
enchantMOONはAndroid 4.0をベースにした専用設計のOS「MOONPhase」を採用。手書きで入力した文字や絵を「シール」にしてリンクを埋め込むハイパーテキストオーサリング機能や、ビジュアルプログラミング機能を搭載したタブレット端末だ。
ハード面での変更は無く、ソフトウェアのアップデートとなる。「動作が重い」「ページめくりで待たされる」「落ちる」といった従来モデルのユーザーの不満を改善した内容となっている。従来ベクトルデータで保存されていたenchantMOONのページデータをラスターベースに変更するなど、ソースコードを0から書き直したという。
こうした改善により、ハイパーリンクのジャンプやページ送り、ウェブブラウジングなどが高速化された。動作時のオブジェクト数を300万/参照数700万から、6万/50万に低減し、ガベージコレクション(メモリー解放)時間が200msから35msに短縮した。ペンの描画レイテンシーは112msから81msへと高速化し、書き心地が向上したとしている。さらに、YouTubeの動画再生にも対応した。
enchantMOON S-IIの価格は16GBモデルが4万9800円、32GBモデルが5万9800円。それぞれ従来モデルより1万円高い価格となるが、従来モデルのユーザーは無償でS-IIにアップデートを提供する。発売は2014年4月を予定している。
さらに清水CEOは、プロジェクト「Gemini」として、HTMLベースのenchantMOONエミュレーターを開発中だと発表した。enchantMOON上で作成したハイパーテキストをPCで閲覧が可能になり、iOSやAndroid上でも動作する。また、GeminiによるエミュレーションでiOS、Android、Windows、Mac上で閲覧可能なenchantMOON専用クラウド「Skylab」も開発中だという。