Samsungが人気ラッパーのJay-Zと提携し、Jay-Zの最新アルバム「Magna Carta Holy Grail」をGALAXYユーザーに先行リリースする。しかも最初の100万人は無料という大盤振る舞い。6月24日には専用アプリ(「JAY Z Magna Carta」)もGoogle Playに登場した。
Jay-Zとの提携金額はなんと推定2000万ドル
とんでもないマーケティングコストを費やしている
SamsungのGALAXYスマートフォン3機種(「GALAXY S4」「GALAXY S III」「GALAXY Note II」)のユーザーはJay-Zの最新アルバムをいち早く無料で入手できる。
……これが「朗報」となる人が、日本でどのくらいいるのかはわからないが、ラップミュージックのファン以外でもその名を知られている存在だから、やはり大きなニュースなのだろう。それでもピンとこないのは、モバイルでの音楽無料というのが初めてではないせいかもしれない。Samsung Mobile USAによると、対象機種に専用アプリをインストールしたユーザーは、アルバムのリリースよりも72時間早い7月4日に無料で入手できるという。
SamsungとJay-Zと組むことの意図や効果はさておき、驚きなのは金額だ。提携を最初に報じたNew York Postによると、推定金額は2000万ドル。Samsungはアルバム1枚に対し5ドルを支払うため、最新アルバムは何もしなくても500万ドルを売り上げることになる。2000万ドルという提携金額からも、SamsungとJay-Zはアルバムダウンロード以外にもプロモーションなどの共同施策を展開すると思われる。
Samsungがマーケティングに巨額を費やしていることはよく知られているが、Asymcoがまとめた数字によると2012年の広告費は推定40億ドル。これは10億ドル程度にとどまっているAppleなどを軽く上回っており、あのコカコーラをもしのぐレベルだ。好業績を反映し、Samsungが2012年にマーケティング全体で費やした費用は110億ドルを優に超えたとAsymcoは予想している。これが同社のブランド戦略強化につながり、スマートフォン売上げ増に大きく寄与していることになる。
(Samsung Mobile USA公式チャンネルでは「The Next Big Thing is Here」というSamsungのキャッチが流れるJay-Zのティーザーが公開されている)
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