2011年3月11日に発生した“東日本大震災”で、米軍による被災地支援の活動をテレビや新聞、ネットなどを通じて、見聞きした人は多いことだろう。
彼らが迅速な支援活動を行なえるのは、常に有事の発生を想定した訓練の賜物である。今回、在日米陸軍の港湾施設“横浜ノースドック”で8月下旬から9月下旬までの約1ヵ月間にわたって実施する、船舶輸送訓練“Pacific Reach 11”を取材する機会に恵まれたので、ごく一部ではあるが、その様子をお伝えしていこう。
横浜ノースドックは、東神奈川駅から車で5分ほどの場所にある京浜工業地帯に位置する米軍施設だ。ちなみに在日米陸軍が管理する港湾施設は、この横浜ノースドックを含めて全国に2ヵ所しかなく、同施設は相模総合補給廠などの兵站の拠点となっている。
“Pacific Reach”は、当初、Landing Craft Utility(以下、LCU)やLanding Craft Mechanized(以下、LCM)といった上陸用船艇の運用訓練だったが、現在では、大規模災害の発生時の人道支援・災害援助を主眼とした訓練となっている。
この日に報道陣に公開された訓練は、同施設に配備されているLCUを実際に動かして埠頭に着岸させるといった内容で、第10支援群第35戦闘維持支援大隊に所属する約80名が参加した。
訓練参加者は在日米陸軍の隊員のほかに、ハワイとバージニアで任務につく米陸軍の隊員やカリフォルニアの予備役の隊員が参加している。
埠頭から埠頭への着岸訓練ということで、LCUの前方にあるランプを使った上陸訓練は行なわれなかったが、LCUの内部や同施設に配置されているLCU以外の船艇も紹介してもらったので、その模様を写真と合わせてご覧頂きたい。