四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第62回
U-zhaan×レイ・ハラカミも遊んだ“手乗りドラム”
バスドラ+スネアで1kgって!? 本格プチ楽器「WAVEDRUM Mini」
2011年06月25日 12時00分更新
実は初代からあった「Mini」のアイディア
―― 敷居を下げて幅広い層を狙ったという意味で、WAVEDRUM MiniはパーカッションシンセサイザーのKAOSSILATOR的展開かな、と思うんですが。
西掘 その通りです。敷居は低いけれども、奥深い楽しさがある。それはパーカッションだからこそできるんじゃないかなと思うんです。打楽器は人類の有史以来ある楽器だと言われていますが、だからこそ深い。その敷居を下げて、入りやすくということですね。
―― 初代のWAVEDRUMは名機と呼ばれ、未だに使い続けられているらしいですが。
西掘 そうですね。本橋自身も初代から関わっていますし、パーカッションの訓練を積んできた人たちにはすごく面白いものなんですね。僕が知っている中ではASA-CHANG&巡礼のASA-CHANG※かな。彼はずっと15年くらい使っているわけですよね。
※ 初代WAVEDRUM : 1994年発売。当時の価格は22万5000円。公式サイトはこちら
※ ASA-CHANG : 元・東京スカパラダイスオーケストラのリーダーにしてパーカッショニスト/ドラマー。現在はソロユニットとして活動。
―― 常に衝撃が加わり続ける電子楽器なのに、15年も使えているのはすごいですね。
本橋 うん。大丈夫だったみたいです。
―― 今度のWAVEDRUM Miniは音源が2系統入っていて、本体のパッドとクリップで、キックとスネアのように違う音を割り振れる。一台でコンビネーションプレイができるという点で、楽器としての意味がちょっと違うように思えるんですが。
西掘 それは、これ(クリップセンサー)があるから、ということですよね。でも当初から、この案はあったんですよね?
本橋 初代の開発中、デバッグ用に叩くものが必要だったんです。じゃないと、どういう音が出るかがわからないので。でも初代はすごく大きくて置き場所がない。それでセンサーを木の板とか、段ボールに付けて使ったんです。するといろんな音が出る。だから、センサーがいっぱいあって、いろんなところに付けられたら面白いねえ、という話は当時からしていたんです。
西掘 ただそれだけだと、遊ぶ人を選んじゃうかな、逆に取っ付きにくいところもあるかなと。
本橋 それに、当時だと結構な値段になっちゃったんですよ。初代は20万円くらいしていましたしね。でも「WD-X」(2代目)が5万円くらいで販売できたので、もっと安い値段でできるはずだから、やろうということになったんです。
(次ページに続く)
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