「Honeycomb」ことAndroid 3.0搭載タブレットのほとんどは、NVIDIAのSoC「Tegra 2」(以下Tegra)を搭載している。またスマートフォンでも、デュアルプロセッサー搭載の機種の多くがTegraを採用している。
今回はそのTegraについて、同社モバイルビジネス部門ジェネラルマネージャーのマイケル・レイフィールド氏にインタビューを行ない、Tegraの将来像やNVIDIAの目指す方向について話をうかがった。
絶好調のTegra
2011年6月末までに1000万個出荷
具体的な話に入る前に、Tegraを巡る情報を整理しておこう。まず、2011年1月に米国で開かれたInternational CES 2011で、NVIDIAは英ARM社と提携して、GPUを統合したプロセッサーの開発を行なう「Project Denver」を発表した。
さらに2月にスペインで開かれた携帯電話のイベント「Mobile World Congress 2011」では、Tegraの2014年までのロードマップが公開されている。そして5月にNVIDIAは、携帯電話用ベースバンドプロセッサー(通信用のデバイス)のメーカーであるIcera社を買収している。
NVIDIAによれば、2011年6月末までに1000万個のTegraが出荷される予定とのこと。60ヵ国の事業者が採用しており、世界のトップ20の携帯端末ベンダーのうち、14社がTegraを使ったデバイスを販売しているのだという。
Tegraは現在市販されているAndroid 3.0タブレットで採用されている、唯一のプロセッサーだ。他社のプロセッサーはプロトタイプのデモはあるものの、Honeycombの市販品にはまだ採用されていない。そしてこのHoneycombは、マイナーアップグレードの「Android 3.1」で、さらに性能が上がるという。
この性能向上は、Android自体がJava実行性能などを向上させた部分面もある。だがレイフィールド氏は、「PCと同じようにドライバーやソフトウェアなどの最適化がさらに進み、実行効率が上がったことも理由だ」と述べる。
例えばHoneycombの目標のひとつに、マルチコアCPUでの動作効率の向上がある。これまでのAndroidはシングルコアCPUを前提に作られていた。ベースに使われているLinuxカーネルはマルチコアに対応しているものの、Androidとしてはマルチコアに最適化されていなかった。3.1では、そのあたりの最適化がさらに進んだということなのだろう。
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