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買収したネティーザの製品についても言及!

Hadoopを超えろ!IBMが描くBIG Data時代の情報活用

2011年02月15日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月14日、日本IBMは2011年のInformation Management事業方針の説明会を開催した。「情報爆発」という事態を迎え、企業の情報「統合」と「管理」強化が業績向上につながるという。

Information Managementはなぜ必要か?

 発表会の冒頭、日本IBM 理事 ソフトウェア事業 Information Management事業部長である俵雄一氏は、情報爆発時代のInformation Managementの必要性について説明した。まず情報爆発(BIG Data)とは、IT活用の深化、デバイスの増加、インターネットの利用拡大により、情報が爆発的に増大することを示している。こうしたなか、CEOは情報の分析、そしてCFOは全社的な情報の統合、そしてCIOは情報の信頼性やガバナンスなど、経営者のそれぞれの立場で異なるポイントを重視しているという。

日本IBM 理事 ソフトウェア事業 Information Management事業部長である俵雄一氏

 こうした要件を網羅するためのデータ管理や統合、分析、ガバナンスなどを手掛けるのがIBMのInformation Management製品群である。「統合とガバナンスのためには、情報サプライチェーン全体を統合する必要がある」(俵氏)ということで、データベースの「DB2」や「Informix」、インテグレーションツールの「InfoSphere Information Server」、マスターデータ管理の「InfSphere MDM Server」、データウェアハウス(DWH)製品「IBM SmartAnalystic System」や昨年買収したネティーザ(Netezza)製品などが挙げられた。また2011年の施策として、まず業種・業界に特化した新組織を設立するとともに、専任のパートナー営業部を新設。さらに投資対効果を無料で診断するサービスの提供を開始した。

データウェアハウス、セキュリティへの取り組み

 次に新しい取り組みとして、タイムリーかつコスト効率よくBig Dataを活用し、情報爆発をチャンスに変えるための取り組みについて説明された。従来、IBMは企業内での構造化されたスタティックなデータに関しては「InfoSphere Warehouse」というデータウェアハウスソリューション、ブログやTwitterなどのような新しい種類の非構造データに関してはHadoopベースの「InfoSphre Big Insights」などを投入している。さらにインターネットのように変動を続けるデータの分析はHadoopだけでは不十分として、InfoSphere Warehouseの分析モデルを利用し、データをダイナミックに分析できる「InfoSphere Streams」を投入する。

IBMのBig Dataに対する包括的なアプローチ

 また、データウェアハウスの分野においては、昨年買収したネティーザ製品の位置づけに関しても言及された。同社においてネティーザのDWHアプライアンス製品はデータウェアハウス製品のエントリー向けと位置づけられ、1秒あたりのクエリが100件以下のシステムを想定するという。一方、トランザクションデータの処理も可能な準アプライアンスとしてIBM Smart Analystics System、そして設計からデザインまでカスタマイズが可能なInfoSpehere Warehouseなどが用意されており、それぞれ柔軟性やTCO、設計期間などが大きく異なってくるという。

要件に合わせて用意されたデータウェアハウス製品群

 さらにガバナンスの分野では、「InfoSphere Guardium」というデータベースセキュリティ製品の新バージョンを投入した。InfoSphere Guardiumはデータベースのアクセスをモニタリングすることでアクセス制御や監査を行なうアプライアンス製品。DB2はもちろん、OracleやMicrosoft SQL Serverなど幅広いデータベースに対応。

データベースのセキュリティを確保するGuardiumの動作

 新バージョンではWindows対応を行なったほか、監査機能の強化、PostgreSQLやNetezzaなど対応データベースの強化を行なった。情報漏えいの被害を受けた資産の4分の3を締めるというデータベースのセキュリティを確保する。価格はアプライアンスの最小構成で592万5500円(税別)からとなっている。

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