Optimusブランドでスマートフォンを展開するLG
この1~2週間、携帯電話メーカー各社の決算発表が相次いだ。いまだ成長市場である携帯電話だが、各社の業績はスマートフォンのプラットフォーム戦略で明暗が分かれた形となった。やや中途半端に見えるのが、AndroidとWindows Phone 7の両方を追うLGだ。同社のモバイル事業部は第4四半期に2741億ウォン(約200億円)の損失を計上した。
LGはNokia、Samsungに次ぐ、世界シェア第3位の携帯電話メーカーだ。ヒット商品になった「Chocolate」シリーズに加え、「Prada」のデザイナーズブランド携帯(フィーチャーフォン)が当たり、MotorolaとSony Ericssonを上回った。しかし、スマートフォンブームでは大きく出遅れた。同じくスマートフォンへの切り替えが遅れたSamsungが、Androidと自社プラットフォームの「Bada」を使い分け、技術力/ブランド力で一気にGALAXYブランドを確立したのとは対照的だ。
LGは2010年9月に発売した「Optimus One」など、OptimusブランドでAndroidを中心としたスマートフォンの展開を図っている。どちらかというと低価格帯で、同社のフィーチャーフォンを使ってきた「スマートフォンは初めて」という層を狙った戦略だ。この戦略は外れてはおらず、Optimus Oneは発売後40日で100万台を売り上げた。LGの中ではこれまでで最も早いペースで売れた端末だという。また、年末にはNVIDIA製デュアルコアプロセッサーの「Tegra 2」を搭載した「Optimus 2X」を発表(発売は2011年Q1)、デュアルコアでは一番乗りを果たすことになる。
期待外れだったとする「Windows Phone 7」
だが、そのOptimusブランドで展開するWindows Phone 7では、明るい話は出てきていない。2010年秋のWindows Phone 7ローンチに合わせ、LGは「Optimus 7」と「Optimus 7Q(Quantum)」の2機種を発表した。ここでは、LGの読みは外れたようだ。1月中旬、同社マーケティングトップのJames Choi氏はPocket-Lintのインタビューに対し、「期待外れだった」とコメントしている。
「業界としては(Windows Phone 7に)高い期待を寄せていたが、コンシューマの視点からみるとWindows Phone 7の注目度はわれわれの予想よりも低かった」とChoi氏。それでも、Windows Phone 7がアピールするコンシューマーセグメントはあるはずだとの確信を語っている。全体がAndroidに傾く中、オペレータの中にはポートフォリオのバランスをとろうとする動きがあることにも言及している。
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