富士通からデスクトップPC「ESPRIMO」とノートPC「LIFEBOOK」の冬商戦向け製品として、7モデル20機種が一斉に発表された。一部機種を除き10月7日発売となる。
「ナノイー」搭載の液晶一体型「FH」シリーズ
まずはデスクトップPC「ESPRIMO」から。液晶一体型の「FH」シリーズでは、従来20型ワイドモデルに3D液晶パネルを搭載していたが、今回新たに23型ワイドのモデルにも3D液晶搭載モデルを用意した。
23型ワイドモデルは、3D液晶搭載の「FH900/5BM」と、タッチスクリーン搭載の「FH700/5BD」の2機種。この両者には、空気の殺菌、脱臭効果のある「ナノイー」発生装置が内蔵されており、快適な環境でPCの操作が行なえるという。
どちらもデジタル3波チューナーを内蔵し、10倍の長時間2番組同時録画が可能。BDドライブも内蔵する。CPUはCore i5-560M(最大3.20GHz)となる。
20型ワイドモデルはデジタル3波チューナー(×2)搭載機が2機種登場した。3D対応の「FH570/3BM」と3D非対応の「FH550/3BD」で、どちらもBDドライブを内蔵。10倍の長時間2番組同時録画が可能となっている。
なお、3D液晶搭載モデルは新たにデジタル放送の3D番組視聴にも対応した。また約130万画素のカメラを2つ内蔵し、3D撮影が可能だ。
そのほか、地デジチューナー(×2)を搭載する「FH530/1BT」、タッチディスプレー搭載の「FH550/3B」というラインナップになっている。
なお、全機種とも、内蔵カメラを人感センサー代わりに使用して、人のいる/いないで画面をオン/オフする省電力機能も新たに搭載する。また、2chスピーカーで仮想サラウンドを実現する「DTS Surround Sensation|Ultra PC」をプリインストールする(関連記事)。
主な仕様と予想実売価格は以下の通り。
FHシリーズの主なスペック | ||||||
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FH900/5BM | FH700/5BD | FH570/3BM | FH550/3BD | FH550/3B | FH530/1BT | |
CPU | Core i5-560M(2.66GHz、TB利用時最大3.20GHz) | Core i3-370M(2.40GHz) | Celeron T3500(2.10GHz) | |||
メモリー | 4GB | |||||
HDD | 約1TB | 約500GB | ||||
ディスプレー | 23型ワイド(1920×1080ドット)3D対応 | 23型ワイド(1920×1080ドット)タッチパネル | 20型ワイド(1600×900ドット)、3D対応 | 20型ワイド(1600×900ドット) | 20型ワイド(1600×900ドット)タッチパネル | 20型ワイド(1600×900ドット) |
光学ドライブ | 記録型BDドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | ||||
テレビ機能 | デジタル3波、10倍W録対応 | ―― | 地デジW録対応 | |||
予想実売価格 | 24万円前後 | 22万円前後 | 20万円強 | 19万円前後 | 16万円強 | 15万円前後 |
省スペースPC「DH」シリーズ
省スペース型デスクトップPCの「DH」シリーズも新機種が登場。24型ワイド液晶ディスプレーが付属する「DH700/7B」は、CPUにクアッドコアのCore i7-870(最大3.60GHz)を採用。BDドライブを搭載し、グラフィックスにNVIDA GeForce GT 330を採用する。
22型ワイドディスプレーが付属する「DH550/5B」はCPUにCore i5-650(最大3.46GHz)を採用。光学ドライブはDVDスーパーマルチで、グラフィックスはCPU内蔵となる。
主な仕様と予想実売価格は以下の通り。
DHシリーズの主なスペック | ||
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DH700/7B | DH550/5B | |
CPU | Core i7-870(2.93GHz、TB利用時最大3.60GHz) | Core i5-650(3.20GHz、TB利用時最大3.46GHz) |
メモリー | 4GB | |
HDD | 1TB | |
グラフィックス | GeForce GT330 | CPU内蔵 |
付属ディスプレー | 24型ワイド(1920×1200ドット) | 22型ワイド(1680×1050ドット) |
光学ドライブ | 記録型BDドライブ | DVDスーパーマルチ |
予想実売価格 | 23万円強 | 17万円強 |
ナノイー効果はどうなのか?
ナノイーとは、パナソニックが開発したイオン発生技術のこと。微粒子イオンを空気中の水分を集めて包み、これを放出することで除菌や消臭、カビの制御、野菜などの変色防止、花粉やダニなどのアレルギー物質の抑制ができるという。通常のイオンよりも6倍(約600秒)長持ちするのが特徴だそうだ。
そんなナノイー発生装置をパソコンに組み込むことで、パソコンを使う部屋を清潔で快適な空間にしよう、というのが新生「ESPRIMO FH」の試みである。ちなみにその昔、マイナスイオン発生装置を組み込んだパソコン、というのが存在したが、ナノイーの水分量はマイナスイオンの約1000倍以上とのこと。
マイナスイオン発生パソコンは、正直効能がよくわからなかったが、このナノイーであれば効能を感じることができるかも。イオン効果でイライラを抑えられるとすれば、自室に置いておくのはもちろんだが、職場のパソコンとしても使うのもありかもしれない。
個人的には消臭効果もあるとのことで、例えば編集部でカップめんとかやや臭いの気になる食べ物(強烈な臭いのものは駄目だろうけど)を、同僚の目を気にすることなくたらふく食べられる……かもしれない(今回触ったのは試作機のため、その効果は試せなかったが)。
そう考えると極めて魅力的なナノイー。空気清浄機の世界では、シャープの「プラズマクラスター」とナノイーが熾烈な戦いを繰り広げていると聞く。そのうちプラズマクラスター内蔵パソコンも出てくる!? かもしれない。