今回試用するのは、レッツノートの最新機種である「Let'snote S9」(以下S9 ※1)だ。本連載では、Let'snoteとしては3度目の登場。そして「Sシリーズ」としては、前機種「S8」(商品投入順としては前の前のモデル)に続く登場となる。
※1 評価機はマイレッツ倶楽部モデル プレミアムエディション「CF-S9LY9BDP」
そのため今回は、可能ならばS8のレビューと合わせてお読みいただけると幸いである。それによって、S9がどこまで進化したのか、はっきりと感じられるはずである。
ブラックモデルは仕上げも良好
プロジェクター対応が充実
今回試用したS9は、ボディー色が黒となった「ブラックモデル」。とはいえ、デザインテイストの面で、レッツノートらしさは良くも悪くも健在だ。ボンネット構造が自動車的なイメージを持たれるので、ブラックモデルの方がより精悍な印象を受ける。そのためか、特に男性やガジェット好きの間では、ブラックモデルの人気が高い。
実は筆者の場合、レビュー向けに長期貸し出しを受けるモデルは、これまでたまたまシルバーのモデルばかりで、ブラックモデルを長期に使ったのは初めてだったのだが、デザインの満足感は確かに感じる。他方で、シルバーに比べると手の脂や汚れは目立ちやすくなるので、こまめに拭いた方がいい。とはいえ、マット仕上げなので、神経質になるほどのことではない。
S9シリーズは12.1型ワイド液晶ディスプレーと、「シェルドライブ」と呼ばれる、フルオープンタイプの光学ドライブを搭載したモデルで、現在のレッツノート・シリーズでは中核ともいえる存在だ。
前モデルのS8から、外観面での変更はまったくない。堅牢でコンサバな作り、という表現になるが、その信頼感は相変わらずだ。キータッチもかっちりとした印象。アイソレーションタイプではないので、見た目こそ少々野暮ったく感じるが、打鍵音の小ささとタッチ感の確かさの両面で、十分満足できるものといえる。
このあたりは、「仕事のために選ぶもの」という感じである。好みとしては、もうすこし打鍵時の柔らかさを落として、スカっと入っていく感触の方がいいのだが、Sシリーズのこれも、決して悪いものではない。
そのほかに、インターフェース面も相変わらずの充実ぶりで、不満が出ることはまずないだろうと思われる。HDMI出力とアナログRGB出力が両方とも用意されているのは、テレビにつなぐことと、プロジェクターにつなぐことの両面でありがたい配慮である。
なお今回より、プロジェクター用設定ツール「プロジェクターヘルパー」がプレインストールされている。このソフトは、元々同社からダウンロードで提供されていたもので、外部ディスプレー接続時の解像度や本体ディスプレー側との表示位置の設定を記憶しておいてくれるもので、ちょっとしたことだが使い勝手を上げてくれる。
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