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インタラクティブ・インテリジェンスが開発中

「ゴルァー!!」客の怒りを察知する未来のコールセンター

2010年03月18日 09時00分更新

文● 吉川大郎/TECH.ASCII.jp

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インタラクティブ・インテリジェンスが、製品ロードマップを発表した。コンタクトセンターソリューションを展開する同社は、今後ビジネス・プロセス・オートメーションに力を入れていくという。この中で、開発中のCICアドオン製品も発表された。

ジョー・ステープルス氏

ジョー・ステープルス氏

 会見冒頭壇上に立ったインタラクティブ・インテリジェンス・インクのチーフ・マーケティング・オフィサー ジョー・ステープルス氏は、同社の概略を述べたあと、現在は「エンタープライズIPテレフォニー」、「コンタクトセンター」、「ビジネス・プロセス・オートメーション」の3つのマーケットに注力していると語った。このうち、ビジネス・プロセス・オートメーションは、同社としては新しい取り組みとなる。

 ビジネス・プロセス・オートメーション(BPA)とは、読んで字のごとくビジネス上のプロセスをITによって自動化し、仕事をより効率化させようというものだ。インタラクティブ・インテリジェンス・インクでは、特定業種にターゲットを絞ってBPA製品を展開する。コンタクトセンターソリューションを手がける同社としては、今まで培ってきたコミュニケーション技術を利用する形で、「インタラクション・プロセス・オートメーション」をリリースしている。現在は英語版のみだが、今後2カ月ほどで日本語対応を果たすという。

 インタラクション・プロセス・オートメーションは、同社のPBXをはじめとした各種製品のためのプラットフォーム「Interaction Center Platform」上の製品として展開される。

Interaction Center Platform上の各製品

Interaction Center Platform上の各製品

 特徴は、前述したとおりコミュニケーションベースのBPAである点。コンタクトセンター仕様のキューイングやルーティング技術を応用し、業務の優先順位付けや割り当てを行なうほか、業務割り当ての対応状況の可視化や、モニタリング、レコーディング機能を備える。さらに、VoIPの利点を活かし、所在地に依存しない業務参加も可能となっている。

ワーカー側画面

ワーカー側の画面

管理側

管理側の画面。どのようなプロセスが進行しているかが一目でわかるほか、特定プロセスの詳細を掘り下げられる

開発中の新製品
インタラクション・アナリティクス

 インタラクティブ・インテリジェンス・インクの主力製品といえば、コンタクトセンター用のソフトウェア「Customer Interaction Center」(関連記事)だが、今回はCICのアドオン製品「インタラクション・アナリティクス」が発表された。このアドオン製品を使うと、メッセージ上の感情までも抽出してくれるという。

インタラクション・アナリティクスの機能

インタラクション・アナリティクスの機能

 この製品はそもそも、CICの内容分析をリアルタイムで提供するもの。電話、メール、チャット、SMSで行なわれるやりとりを監視し、抽出する。たとえば、企業にとって「キャンセル」という言葉は注意を向けるに値する単語だが、こうした言葉を事前に登録しておけば、その単語が含まれたやり取りを抽出してくれるというわけだ。そしてインタラクション・アナリティクスは、単なる単語抽出にとどまらず、感情や沈黙も検出してくれるという。感情の抽出は、発音上の特性などによって行なわれるため、言語には依存しないのだそうだ。

 この機能により、やりとりが感情的になった場合に、上司(スーパーバイザー)がオペレーターにコーチングしたり、直接会話に介入することができ、トラブルを未然に防ぐための一助になる。インタラクション・アナリティクスは、2010年末までには市場投入予定で、その後2カ月程度で日本語番もリリースされる。

 発表会ではこのほか、Microsoft Exchange/Outlookとのメール統合についても発表された。これは、コールセンターの端末としてMicrosoft Outlookが使えるというもの。これにより、普段使い慣れているメールクライアントを使用することで、スタッフへの教育コストや作業負担を軽減できる。もちろん顧客とのやり取りは記録されているし、スーパーバイザーによるモニタリングも可能だ。

 今後インタラクティブ・インテリジェンス・インクでは、ビデオ関連の機能拡充にも取り組む。従来のビデオ電話を使用した製品を手始めに、通話の音声部分をインタラクション・メディア・サーバーで処理する形態に進化させる。さらに標準的なビデオハードウェアを使った複数テレビ会議の追加を行ない、最終的には同社製のビデオエンジンを追加し、オーディオとビデオの記録を行なえるようにして、ビデオSIPエンドポイントが不要なビデオカンファレンスシステムを構築するとしている。

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