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ストレージの仮想化進める──日本HP EVAシリーズ発表会から

2009年04月16日 09時00分更新

文● ビジネス・ソリューション編集部

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 VMWareやブレードサーバーなどの普及により、サーバーの仮想化は2008年大いに進んだ。次のステップは「ストレージの仮想化」。日本ヒューレット・パッカードは、その啓蒙と普及に努めていく考えのようだ。

HP StorageWorks EVA 8400

 サーバー側の仮想化が進み、運用管理が統合されるにしたがって、ストレージをいかに簡便に管理するかが重要になってくるとHPは見ている。物理ストレージを個別に管理していく現在の方法では、ストレージの増設やパフォーマンスのチューニングに手間がかかるといった難しさがある。

 これまでサーバーしか管理したことがない人でも、容易にストレージ管理ができるようにするための製品として同社が15日に発表したのが、仮想化技術搭載のミッドレンジSANストレージ「HP StorageWorks EVA 6400」と「HP StorageWorks EVA 8400」だ。ディスクアレイ単位の仮想化を可能にし、論理的なディスクプールの中から、必要なサイズを切りだしてLUNを作成。ディスク容量の効率的な利用と、管理の容易さを両立している。

 ともに、vRAID6に対応しており、EVA 6400は最大216個、EVA 8400は最大324個のディスクアレイを搭載できる。搭載できるキャッシュ容量はそれぞれ8GBと22GB。エンクロージャは昨年発売したローエンドのEVA4400と共通化されており、1Uのスペースに搭載可能なディスク容量が増え、スペース効率も向上している。ファイバーチャネルHDDを8基(146GB)搭載した最小構成時の価格は、EVA 6400が784万3500円、EVA 8400が1737万7500円。ファイバーチャネルのほかにFATA、SSDをサポート。従来機種(EVA 6100、EVA 8100)と同等の構成で製品価格を最大22%引き下げ、TBあたりの単価は最大28%低減されている。

EVA 6400/8400シリーズの新機能

国内の仮想化状況

EVA新モデルのコスト削減効果

 合わせて同社は、複数のSANを仮想化して単一の論理ストレージとして管理可能にする新製品「SAN Virtualization Services Platform」(SVSP)も発表している。

 HPのSANストレージ以外にも対応しており、IBM、EMC、NetApp、サン・マイクロシステムズのストレージにも対応する。ただし、国産ベンダーのストレージにはまだ対応していない状況。

日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ストレージワークスビジネス本部の本部長富岡徹朗氏

 発表会では、EVAシリーズが世界市場で6万台を出荷したことも紹介された。昨年春の時点で4万台だった数字が1年で1.5倍に増えた形で、1年で約2万台の販売が行われた形になる。

 日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ストレージワークスビジネス本部の本部長富岡徹朗氏によると「EVAを最も売っているのは米国で、2番目は日本」とのこと。「2009年度の国内出荷台数は前年比30%のアップを目指す」という。

 合わせて同社では、仮想化ストレージソリューションの導入を促進するための「EVA仮想化促進サービス」も開始する。ストレージ移行の必要性、導入の効果、リスクや課題などを測定し、レポートとして提出する有料のコンサルティングサービス。ストレージの仮想化を導入しやすい環境を整えていく。

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