あのSound Blasterに最上級の新シリーズ“X-Fi”登場!――クリエイティブメディア、Sound Blasterシリーズの新サウンドカードなどを発表
2005年09月07日 15時01分更新
Sound Blaster X-Fiの最上位製品『Sound Blaster X-Fi Elite Pro』のカード本体 | 『Sound Blaster X-Fi Elite Pro』のパッケージイメージ。A4サイズの外付けユニット“X-Fi I/Oコンソール”を含むため、箱も大きい |
クリエイティブメディア(株)は7日、パソコン用サウンドカード“Sound Blaster”の新シリーズや5.1chサラウンドスピーカーセットなど、10製品を一挙に発表した。中でも注目なのは、Sound Blasterの最上位に位置づけられる新しいシリーズ“X-Fi(エックスファイ)”の登場である。
オーディオ専用高速プロセッサーを搭載!
最上級サウンドカード“Sound Blaster X-Fi”シリーズ
パソコン用サウンドカードの老舗であるSound Blasterシリーズに、新しく最上位のシリーズ“Sound Blaster X-Fi”(以下X-Fi)が加わった。X-Fiシリーズはサウンドカード用に作られたオーディオ専用プロセッサー“Creative X-Fi Xtreme Fidelity”を搭載している。このプロセッサーは0.13μmプロセスで作られ、トランジスター数は約5100万個と、Pentium 4(Northwoodコア)と同等の規模のトランジスターを集積している。同社ではこのプロセッサーは1秒間に100億回(1万MIPS)の処理が可能で、従来のミドル~ハイエンドサウンドカード“Sound Blaster Audigy”シリーズに使用されたAudigyプロセッサーの24倍の処理能力を誇り、3.4GHzのCPUをオーディオ専用に動作させたのと同等の処理能力を持つとしている。X-Fiシリーズではこの強力なプロセッサーを用いて、以下のような機能を備えている。
ゲームモード時 | エンターテインメントモード時 | オーディオクリエイションモード時 | ||
各モードごとの設定コンソール画面 |
- 用途に合わせて最適化可能な“モード”アーキテクチャー
- “ゲーム”モード、映画/音楽鑑賞用の“エンターテインメント”モード、音楽編集用の“オーディオクリエイション”モードなど、異なる用途に合わせて最適化された処理を行ない、モードごとに異なる機能を提供する。設定アプリケーションも、モードごとにまったく異なるインターフェースに切り替わり、必要とされる機能だけを提供する。
- 24bit Crystalizer
- CDオーディオやMP3オーディオなど、16bitのオーディオデータを解析し、マスタリング用オーディオやDVD-Audio品質の24bit/96KHzに変換。16bit化で制限された部分を改善してから元のフォーマットに再圧縮することで、16bitオーディオの音質を改善する。リアルタイム再生だけでなくファイルとして出力も可能なので、変換後のオーディオデータは携帯オーディオ機器などで聞いても、音質が改善されているという。
- CMSS-3Dテクノロジー
- CMSS(Creative MultiSpeaker Surround)テクノロジー。マルチチャンネルソースや2chステレオソースを問わず、ヘッドホンやステレオスピーカーなどでも自然に聞こえるバーチャルサラウンドを実現。
- EAX ADVANCED HD 5.0サポート
- X-Fiプロセッサーの機能をゲームから利用するための新しいAPIセット。従来の倍の128ボイス(同時発音数)対応、ボイスチャットの声を、ゲーム中のキャラクターのいる位置に合わせて出力する“EAXボイス”などの機能を実現。従来のEAX 1.0/2.0、EAX ADVANCED HD 3.0/4.0にも対応するほか、DirectSound 3Dもサポートする。
- 64MB X-RAM搭載
- X-Fi Elite ProおよびX-Fi Fatal1tyのみ対応。カード上に64MBのサウンド専用メモリーを搭載。ゲームオーディオ用のデータをX-RAM上に置き、X-Fiプロセッサーが直接アクセスすることで、パソコンのメインメモリーやOS側の負荷を低減。高品位のオーディオを利用しても、ゲームの処理速度を損なわない。
上述以外にも、7.1chのアナログオーディオ出力搭載、DVD-Audio(24bit/最大192KHz)再生対応、Dolby Digital EX/DTS-ESデコーダー内蔵などの機能も備えている。デジタル入力は光デジタル×1、同軸×1。デジタル出力は光×1、同軸×2(AC-3/DTSパススルー出力可)などを備えている。製品は4モデル用意され、それぞれ同梱されるPCIサウンドカードと付属品が異なる。各製品の特徴は以下のとおり。なお価格は全製品オープンプライスであるが、同社の直販サービスでの“クリエイティブオンラインショップ価格”を目安として掲載した。
- 『Sound Blaster X-Fi Elite Pro』
- 最上位の製品。64MB X-RAMを搭載し、6chアナログ入力、7.1chアナログ出力対応、アナログ出力のS/N比116dBを誇る“Sound Blaster X-Fi Elite Pro PCIカード”を含む。またヘッドフォンや光デジタルの入出力端子やADコンバーターを備える外付けの“X-Fi I/Oコンソール”や、リモコンも付属する。
- 4万2800円/9月下旬発売
X-Fi Elite Proに付属する“X-Fi I/Oコンソール”。ADコンバーターをパソコン外に設けることで、パソコンの内部ノイズの影響を受けない、クリアな音楽取り込みを可能とする |
- 『Sound Blaster X-Fi Fatal1ty FPS』
- 米国のプロゲーマーである“Fatal1ty(フェイタリティー)”氏をフィーチャーしたゲーマー向けモデル。64MB X-RAMを搭載、S/N比109dB。入出力端子を備える5インチベイ内蔵型“X-Fi I/Oドライブ”と、リモコンが付属する。
- 2万9800円/9月中旬発売
- 『Sound Blaster X-Fi Platinum』
- 基本構成はFatal1ty FPSと同じだが、X-RAMが省略されたPCIカードとなっている。X-Fi I/Oドライブとリモコンが付属。
- 2万2800円/9月中旬発売
- 『Sound Blaster X-Fi Digital Audio』
- X-Fi Platinumと同じPCIカードに、光デジタル/同軸デジタル入出力モジュールが付属した、基本機能に絞ったコストパフォーマンス重視のモデル。
- 1万5800円/9月中旬発売
X-Fi PlatinumのカードとI/Oドライブ、リモコン | カードとI/OモジュールをセットにしたX-Fi Digital Audio。リーズナブルな日本向けパッケージとのこと |
対応環境は、CPU:Pentium III-1GHz以上、Windows XP(SP2以上)、メモリー256MB、HDDの空き容量600MBなど。