ダブルチューナにより2番組同時録画も可能
液晶ディスプレイの選択肢も豊富
その他のパーツでは、ダブルチューナ搭載のTVボードが目玉的な存在だ。1枚のカードに2つのチューナユニットを搭載しており、録画しながらの裏番組視聴、および2番組同時録画が行なえる。視聴/録画ソフトのSmartVisionも2番組対応にアップデートされており、それぞれ別々にタイムシフト操作も可能で、画質もそれぞれ調整できるようになっているだ。TVボードは、高画質エンジン“VISITAL”を搭載したもの。ハードウェアMPEG-2エンコーダを搭載し、ゴーストリデューサ、3次元Y/C分離、タイムベースコレクタ、デジタルノイズリダクションといった画質改善機能も装備することから、きわめてクオリティの高いTV映像が楽しめる。
液晶ディスプレイは3種類が選択可能で、ディスプレイなしも選べる。TV機能を生かすなら、SoundVu&サブウーファを内蔵した17インチの高輝度デジタルTFT液晶がお勧めだ。液晶前面のパネルを振動させて音を出すSoundVuシステムとサブウーファによる迫力のあるサウンドが省スペースで楽しめる。リモコン受信機も内蔵しているため、別途受信機を接続しなくてすみ、デザインがすっきりするのもポイントだ。
メンテナンス性抜群の高品質筐体
効率のよい冷却システムで静粛性も優秀
ボディはカバーがL字型に開く構造を採用しており、メンテナンス性も良好。シャシーは剛性の高い板金を使い、キッチリと組まれているのが好印象だ。高性能なCPUを搭載しているが、CPUクーラーをサイドカバーの通気口に直結させており、発熱を効率よく処理できている |
スリムタワー型のボディは、タテ置きヨコ置き両対応。横幅は105mm(縦置き時、スタビライザ設置時235mm)、容積14リットル弱とコンパクトにまとまっており、ちょっとしたスペースに置き場所を選ばず設置することができる。さわやかなホワイトベースにアクセントカラーとしてブルーを配したシンプルなカラーリングで、フロントにはブラックのアクリルパネルを貼った上品なデザインは、リビングや書斎など、どこにおいても違和感がない。
また、メンテナンス性の優秀さも特筆したい。背面のレバーをスライドさせてロックを解除すると、ボディがL字型に開く。ボディ内部の拡張カードやHDDもレバー式のアタッチメントで固定されており、メンテナンス作業がきわめて容易に行なえるようになっている。ボディのカバーやアタッチメントパーツの加工精度が非常に高く、キッチリと開閉/着脱ができるのも好印象だ。
高速なCPUを搭載している省スペースPCというと騒音なども気になるところだが、本機はそのあたりの処理も優秀だ。ヒートパイプをぜいたくに利用した大型のCPUクーラーを装備。ファンをサイドカバーの吸気口に直結させて、ファン回転速度をインテリジェントに制御することで、動作音を静粛に保っている。2番組同時録画など負荷の高い作業を続けるとさすがに回転が上がるのがわかるが、うまく多段階に調整されるので大きな音が長く続くようなことはない。
最小構成はPentium 4 530J、メモリ256MB、コンボドライブ、HDD80GBといったスペックで、価格は11万4345円。Pentium 4 570J、メモリ512MB、HDD200GB、DVDマルチプラスドライブに強化し、ATI RADEON X300SE、ダブルチューナ搭載TVボードを加えた構成でも23万円以下に収まる(価格はいずれも6月22日現在)。この構成でのコストパフォーマンスはかなり高い。本機は狭いスペースにも無理なく設置できる省スペース性とビジネスもホビーもパワフルにこなす高性能を兼ね備えており、ビジネスアプリを使うような家での仕事などを主目的としつつ、合間にTVやちょっとしたゲームなど楽しむといった用途に最適だ。セレクションメニューを活用し、ニーズに応じて強化していくとよいだろう。
レビュワー・鈴木雅暢のオススメ構成
- CPU
- Pentium 4 550J(3.40GHz)
- HDD
- 200GB
- メモリ
- 1024MB(512MB×2)
- グラフィックカード
- Intel 915G内蔵+DVI-Dインターフェイスボード
- CD/DVDドライブ
- DVD+R DL対応DVDマルチプラスドライブ
- ディスプレイ
- 17インチ高輝度デジタルTFT液晶(SoundVu&サブウーファ内蔵)
- TV
- ダブルチューナ搭載TVボード
- OS
- Windows XP Home Edition SP2
構成のポイント
CPUは、Pentium 4 530JとPentium 4 550Jの価格差は1万円ちょっと、Pentium 4 550JとPentium 4 570Jとの差は5万円近い。ここは550Jをチョイスするのが買いごろのバランスだろう。メモリ、HDDも同じようにコストパフォーマンスの良いラインを選択してみた。結果、“ビジネス資料作成のための文書/画像/映像処理などをパワフルにこなしつつ、TVも快適に楽しめる少々ぜいたくな家庭用パソコン”というイメージの理想的な構成に仕上がった。ディスプレイは、17インチ高輝度デジタルTFT液晶(SoundVu&サブウーファ内蔵)がお勧め。AV特化型パソコンにも負けない映像クオリティが手に入る。
VALUESTAR G タイプCの主なスペック | |
製品名 | VALUESTAR G タイプC |
---|---|
CPU | Pentium 4 570J(3.80GHz)/550J(3.40GHz)/530J(3GHz) (セレクションメニュー) |
チップセット | Intel 915G |
メモリ | 256/512/1024/2048MB (シングル/デュアルチャネル、セレクションメニュー) |
グラフィックスチップ | チップセット内蔵/チップセット内蔵+DVI-Dインターフェイスボード/RADEON X300 SE (セレクションメニュー) |
HDD | 80/160/200GB (セレクションメニュー) |
光ドライブ | CD-R/RW&DVD-ROMコンボドライブ/DVD+R DL対応DVDマルチプラスドライブ (セレクションメニュー) |
通信 | Ethernet(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)、V.90準拠56kbpsモデム(セレクションメニュー)、IEEE 802.11a/b/g準拠無線LAN(セレクションメニュー) |
インターフェイス | PCI Expressx16×1、PCI×2、USB 2.0×5 |
ディスプレイ | 17インチ高輝度デジタルTFT液晶(SoundVu)/17インチ高解像度アナログTFT液晶/15インチアナログTFT液晶/なし |
サイズ | 幅235×奥行き354×高さ371mm(スタビライザ設置時) |
重量 | 約10kg |
OS | Windows XP Home Edition SP2/Windows XP Professional SP2 (セレクションメニュー) |
TV受信機能 | ハードウェアMPEG2リアルタイムエンコーダボード(高機能版)/なし(セレクションメニュー) |