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【COMDEX Fall 2002 Vol.5】メインの展示会場は出展者数が激減――近くのホテルでは256bit版“Crusoe”のデモ!!

2002年11月21日 22時35分更新

文● 塩田紳二

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さて、キーノートのほうは、毎日あるのだが、COMDEXのメインとも言える展示会場について少しレポートしておこう。かつては、この展示を見るためだけに行ったとも言える“COMDEX”なのだが、今年ははっきり言って出展者数が激減している。このラスベガスコンベンションセンターには、展示スペースが大きく3つあり、隣のヒルトンホテルも隣接するかたちでコンベンションセンターを持っている。つまり、4つのスペースがあり、最盛期には、離れたところにあるホテル“サンズ”(現ベネチアン)のコンベンションセンターやその他のホテルのコンベンションセンター、宴会場を使っていた。しかし、今回はラスベガスコンベンションセンターの2つのスペースのみを使い、それもスペースをすべて使い切っていないのである。

ロボットアニメの操縦席のようだが、れっきとしたパソコン
なんだかロボットアニメの操縦席のようだが、れっきとしたパソコンである。この米PCE(Personal Computing Environments)の『PeaceMaker』は、いすやキーボードテーブル、液晶ディスプレーなどを組合せ2.0GHzのPentium 4を使ったシステムで4000ドル(約49万円)ぐらいから(オプションなどにより価格は異なる
『Zboard』
カナダIdeazon社の『Zboard』。Z型に折りたためて小さくなるのかと思ったら、キートップ部分だけが折りたため、実際のスイッチのある部分はフルサイズのまま。これはキートップ部分をいろいろなものに交換できるという製品。特定のアプリケーション用にカスタマイズしたキートップを作っても折りたためて小さくなるので、パッケージに入れることができるのだとか

また、出展者も企業単独よりも、台湾、香港、フランスなど米国外の国の業界団体が取ったスペースをさらに切り分けて使っているところが多く、小さなブース(というよりは縁日の出店みたいな感じ)が数多くある。かつては、メインとなるホールには大企業が大きなブースを構えていて、小さなブースは、遠くのスペースに押し込まれていた。この程度の規模なら幕張メッセでもできるんじゃないかって感じである。

『Photo Traveler』
米Veo社の『Photo Traveler』。SDIO対応のデジタルカメラ。解像度はVGAでSDスロットを持つPalm OSマシンに対応

で、見物はあったのか? というと、それがないのである。元々興味のない製品のところも、無理して回ってみたが、やはりない。今年1月に行った“CES(Consumer Electoronics Show)”のほうがオーディオ・ビデオ系を除いてもパソコン関連の製品が多かったような気がする。

えさやり機
ネットワークに接続可能なペットのえさやり機。インターネット側から携帯電話やパソコンを使って制御ができるほか、正面につけたカメラで観察することもできる。組み込みLinuxで制御されているのだとか。なんと発売元は富士通の子会社である(株)アルファ・オメガソフト(αΩSoft)。富士通ブースの裏にあった
『Bravo』
米Primera Technology社の『Bravo』。これは何かというとDVD-RやCD-Rを作るマシンで、ドライブとインクジェットプリンターが一体になっており、コピーとラベル印刷が連続して行なえるもの
“Duette”無線LANチップ
米インターシル社の“Duette”無線LANチップ。IEEE 802.11a/b/gをサポートする
バーチャルキーボード
米Canesta社のバーチャルキーボード。机の上などに光でキーボードの形を描き、そこの指の動きを赤外線で検出する

近くのホテルで256bit版の次世代“Crusoe”をデモ

さて、会場とは別に米トランスメタ社が別のホテルで256bit版の『TM8000』(コードネーム“ASTRO”)を見せてくれるというので見に行ってみた。写真も撮れないし、細かい話もないのだが、とりあえずWindows XPが動いているところを見せてもらった。速度比較用に米国で発売されている日本メーカーのモバイルPentium 4-M-1.80GHz版が横にあったのだが、TM8000のほうが圧倒的に速い、実際にWindowsを触ってみた感覚だと、1GHzぐらい上のPentium 4を使っているような感じである。たとえば、初期設定が済み、データが未入力状態のOutlook XPが一瞬で立ち上がる。Outlookは、たとえデータが少なくとも、立ち上がりにはちょっと待たされるという感じで、実際隣にあった1.80GHzのモバイルPentium 4-Mでは、少し時間がかかっていた。

まだ、未完成でこれからいろいろチューニングなどを行なうとは言っていたが、もし、この性能が従来のCrusoeとあまり変わらない消費電力で提供されるとしたら、本格的にノートパソコンで仕事するなら検討の価値有りといえる(ただし、TM8000マシンの登場は来年後半と言われている)。来年は、いろいろなマシンが出てきそうだが、TM8000マシンを見てからどれにするか考えたほうがいいかもしれない。もっとも、スケジュール通りにプロセッサーが出てきてという話なのだが。

というわけで、来年は、ノートパソコンのほうも激戦区になりそう。おそらく低電圧版の“Banias”とTM8000の勝負ということになるのでは? さて、この動きに対してインテルはどう出る?

さまざまな話題を持ちながら23年間続き、かつてはラスベガス全体をにぎわしたCOMDEXだが、この調子だと、来年開催されたとしても人が訪れるかどうか? あるいは、商標を他社に売って、新たな主催者を迎えるといったシナリオもあるかもしれない。

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