「しんとうめっきゃくすれば、ひ、おのずからすずし」(滅却心頭 火自涼)と書かれたパッケージには、ニックネーム「禅」という大きな文字と蛇行したパイプの写真が掲載されている。この人目をひくパッケージのCPUクーラー(型番:SCR325-2F)をだしてきたのはティーエスヒートロニクスだ。
ラジエータはクーラーの中心部に収納する |
最大の特徴は、ヒートレーンを採用していること。この聞きなれないヒートレーンについて同社は「アルミなどの蛇行細管を配し、封入したHFC134aの相変化と移動現象により、従来のヒートパイプ以上の熱輸送量を達成」「適用姿勢による大幅な熱輸送量の変化がないため、適用機器の設計自由度が大きい」と説明している。HFC134aを使った製品には、一部のオーバークロッカーの間で評価の高い「KENDON CPU Radiator 」がある。
蛇行したヒートレーンの間にはさらに細かく蛇行したアルミヒートシンクが配置されているが、同社ではこれを含めてヒートレーンラジエータ(サイズ:64×32×60mm)と呼ぶ。パッケージのなかにはこのヒートレーンラジエータ、ファン、クリップ、クリップカバークリップレバーなどがバラバラの状態で梱包されている。ユーザーは同梱の説明書を見ながら組み立てるという、一種プラモデル感覚の製品となっている。ちなみにコアとの接触面には32×32mmの受熱板(銅)が用いられている。
ファンは60mm角のミネベア製(型番:2406KL-04W-B59)で4600rpm。両サイドに2つ搭載する形になる。全体のサイズは90(W)×86(D)×76(H)mm。同製品を取り付けるために必要なスペースは写真の通り。ソケットへの装着はサイドのプラスチック製のクリップで固定する。金具のものが多い中、プラスチックである点が気になるところではあるが…。販売を開始したのはCUSTOMで、1万1800円となっている。
パッケージに表記されている、装着に必要なスペースの説明図 |