WIDEプロジェクトは6日、NetWorld+Interop 2001 Tokyo会場内で、日本最大のインターネット相互接続ポイントである『NSPIXP-2』を、東京都内の複数の拠点に分散拡張し、IPv6の実用レベルで利用可能なインターネット相互接続ポイントの実験運用を開始したと発表した。
WIDEプロジェクト代表である慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏 |
NSPIXP-2は、WIDEプロジェクトが'95年より実証実験として行なっているIXP(インターネット相互接続ポイント)で、KDDI大手町ビル内で50社以上のISPを相互に接続した日本最大規模の接続ポイント。
今回、アクセスの集中化を防ぐべく、KDDI大手町ビルと、レベルスリー・コミュニケーションズ(虎ノ門)、MCIワールドコム・ジャパン(六本木)、三菱電機情報ネットワーク(品川)、NTTコミュニケーションズ(大手町)、東京通信ネットワーク(豊洲)を光ファイバーで相互に接続し、NSPIXP-2の分散拡張化を行なった。
この6拠点は、Gigabit Ethernetの多重技術を用いて、4Gbps~8Gbpsの帯域で相互接続したという。また、IPv6での利用も可能となったため、IPv6用のインターネット相互接続ポイントを実用レベルで利用できる。
今回の分散拡張化により、コンテンツサービスプロバイダーは、複数の拠点から接続ポイントを選択できるようになる。なお、分散拠点は今後も順次拡張していくという。
WIDEプロジェクト代表である慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏は、「実験の結果はオープンになるので、こう分散すればトラフィックを処理できるといったようなノウハウを各企業やエンジニアに提供でき、社会全体の実力がついてくる。実験による経験を広く皆さんと共有したい」としている。