ロードバランサーなどを出荷しているF5ネットワークスジャパン(株)は23日、ネットワークとアプリケーションが相互にコントロールしあえるネットワーク「application-aware network」を実現する技術として、「Internet Control Architecture」を発表した。
この技術を利用することにより、コンテンツの自動配信やネットワークに接続された機器を動的に設定することなどが、人手を必要とせず自動的に行なえるようになるという。
Internet Control Architectureの中核でネットワークとアプリケーション層のやりとりを担当する部分が「iControl」と呼ばれている。それは、アプリケーションやネットワークに接続された機器とF5ネットワークスの機器との間でセキュアなコミュニケーションを行なう「iControl Internal Communication Method」と、サードパーティーに公開されるAPI部分の2つから成る。
アプリケーションとネットワークをつなぐiControl |
ソフトウェアベンダーやハードウェアベンダーは、公開されたAPIを利用し、アプリケーション層(OSI階層モデルのLayer 7)に対応した製品やサービスを開発することができるとしている。
例えば次のようにアプリケーションとネットワークの連携を必要とする動作を、人手を介さず自動的に行なえる。
米Top Layer NetworksのLayer 7に対応したネットワーク機器「AppSwitch」はスイッチの形でトラフィック管理などを実現しているが、「iControlは、より柔軟な管理が可能になり、Layer 7の機能を拡張することができる」(米F5 Networks製品マネジメントディレクターのJim Ni氏)と説明した。米MicrosoftやOracle、Siebel Systems、独SAPなどと話し合いの機会を持っており、Microsoftのクラスタサーバ「Application Center 2000」には同技術が採用されているという。
開発キット「iControl SDK」は、F5ネットワークスの機器と共に無償で出荷される予定だ。4月にCORBA APIが、6、7月にSOAP/XML APIが提供される計画となっている。
米F5 Networks製品マネジメントディレクターのJim Ni氏 |