日本BT(株)と日本AT&T(株)は9日、英ブリティッシュ・テレコム(BT)社と米AT&T社が、5日(現地時間)ロンドンにて、カナダの通信事業者2社への共同投資で合意したと発表した。
投資先の1つは、カナダの大手移動体通信事業者Rogers Cantel Mobile
Communications社。共同で14億カナダドル(約1000億円)、33%の出資を7営業日内に実施する。出資比率は50対50。同社はRogers
Communications社の子会社で、携帯電話やページャーなど無線サービスを提供している。契約者数は約200万件にのぼり、昨年度の売上高は11億カナダドル(約750億円)を計上したという。
もう1社はAT&Tカナダ(AT&T Canada)。BTは同社に9%の出資を行ない、AT&Tは保有するAT&Tカナダの株式の31%のうち、30%をBTに譲渡する。譲渡価格は6億カナダドル(約410億円)。AT&Tカナダはカナダ全土で市内および長距離通話、データ、インターネットのサービスを提供している。昨年6月にMetro
Net Communications他数社と合併し、昨年度の売上高は13億カナダドル(約890億円)。
AT&Tは先にAT&Tカナダと合併することで合意したが、カナダの外資出資規制が撤廃された後、BTも合併プロセスに途中参加するという。この場合、BTとAT&Tは30対70の比率で、AT&Tカナダの残る69%の株式を取得する予定。BTはさらに最高16億5000万カナダドル(約1230億円)の出資を行なうことになる。
BT WorldWide社のアルフレッド・モケット(Alfred.T.Mockett)社長は「BTは移動体、インターネット・データ通信など急成長市場に注力する戦略をとっており、今回の出資もそうした戦略の1つ」という。一方、AT&Tのジョン・D・ジグリス(John.D.Zeglis)社長は「今回の共同出資でBTとのグローバルパートナーシップはさらに拡大し、ユーザーへシームレスなグローバルサービスを提供することが可能になった」と語った。