コンパックコンピュータ(株)は、大規模ネットワーク上に分散している各種ストレージシステムの管理や運用を容易にする“エンタープライズ・ネットワーク・ストレージ・アーキテクチャ(ENSA)”構想を発表した。
ENSAでは、“仮想ストレージ技術(Virtualizing Storage)”により、ネットワーク上に散在しているストレージシステムを統合して、仮想的にひとつのストレージとして取り扱う。これにより、サーバーの設置場所やストレージの種類といった物理的な条件に制限されることなく、必要な容量のストレージをアプリケーションに提供することができる。また、容量の増加やバックアップ、リストアなどといったストレージの管理・保守を一括して行なえるというメリットがある。
コンパックは、“ファイバチャネルストレージシステム”や“エンタープライズバックアップソリューション”といった、Fibre
Channelを用いて複数のサーバー間で共有できるストレージシステムをすでに提供開始している。こうした新しいタイプのストレージシステムと、サーバーまたはネットワークに直結されるいわば既存のストレージシステムとの共存を容易にするのがENSAの狙いの1つといえる。
ENSAの構想には、OSメーカーのマイクロソフト社や、ネットワーク管理ユーティリティで知られるコンピュータアソシエイツ社、バックアップツールで知られるシーゲイトソフトウェア社やレガートシステムズ社といったソフトウェアメーカーのほか、各種ハードウェアメーカーも賛同している。今後コンパックはこれらのパートナーと共に、ENSAに沿った製品やサービスを提供していくという。