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ラム リサーチが横川電機と半導体製造装置の国内生産で提携

1998年03月26日 00時00分更新

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 米ラム リサーチ社は、横川電機(株)と半導体製造装置の日本国内の生産で提携を行なったと発表した。
 
 「提携先の候補は25社あったが、横河電機の少量多品種の生産システムやコスト削減能力、横河電機が海外企業20数社とこれまでに提携の経験があること、子会社の横河トレーディング(株)より海外からの資材調達が可能な点を評価した」(ラム リサーチ(株)砂金養一(いさごよういち)代表取締役社長)という。

 これにより、米本社で製品開発、日本法人でマーケティング、横川電機で生産を行なう。横河電機では、主力製品のドライエッチング装置『Alliance』の製造準備を4月から開始し、10月に出荷を開始する。生産は当面は国内向けという。その他のラム リサーチの半導体製造のためのCVD装置やCMPの生産に関しては未定。今後2年間は、本社のある東京・武蔵野工場(面積:600平方メートル)で生産を行ない、3年めには新たに工場を建設したいという。

 ラム リサーチは'80年設立で、日本への進出は4年前から。半導体製造装置の世界の市場規模は約220億ドル(約2兆8160億円)で、市場占有率は第4位、その中でもエッチング装置のシェアは約30パーセントで第1位(米Dataquest社調べ)。今回の提携を機に日本への進出を本格化し、3年後に日本でも約30パーセントのシェアで、売上高1000億円を目指すという。

 同社の全社的な見方としては、半導体市場は低迷し、業界の設備投資も減少しているときこそ、戦略を構築するチャンスとしている。また今年後半には台湾や欧州から製造装置の発注が増加すると見込んでいる。

 生産拠点を日本に持つことはコストなどの面で有益なのかという記者の質問には、「コストよりは日本市場でシェアをとることに重点をおいている。日本にはコストダウンのノウハウもあり、いっしょに仕事をしていく中で、それ(コストダウンのノウハウ)を学んでいきたい」(砂金氏)と回答した。また「素材の20~30パーセントは海外から調達する」(米ラム リサーチ社CEO・James Bagley氏)と回答した。



 また提携に関して横河電機は、「(横河電機は)ゼネラル・エレクトリックやヒューレット・パッカードなど常に業界トップと提携し成功している。今回もうまくいくと確信している」(横河電機 溝口文雄専務取締役)とコメントしている。(報道局 若名麻里)

http://www.lamrc.com/

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