同じ「X-Fi」でも2種類ある
レビューを始める前に、現在のSound Blasterの概要と、X-Fi Titaniumシリーズの製品ラインアップについて、簡単にまとめておこう。
現在の拡張カード型Sound Blasterには、カード上に搭載されるオーディオプロセッサーの違いによって、2種類のカードが存在する。ひとつは、「X-Fi Xtreme Fidelity オーディオプロセッサー」(以下X-Fiプロセッサー)を搭載する製品群。今回紹介するX-Fi Titaniumシリーズもここに含まれる。
X-Fiプロセッサーは、5100万トランジスター、1万MIPS以上の処理能力を持つ、オーディオ専用プロセッサーである。同社によると、「3.4GHzプロセッサをオーディオ専用に組んだ場合と同等」のパワーを持つという。同社独自のサラウンドオーディオ規格「EAX」の、最上位である「EAX ADVANCED HD 5.0」に対応するのは、このX-Fiプロセッサーを備えるカードだけだ。
もうひとつは、「PCI Express Sound Blaster X-Fi Xtreme Audio」(関連記事2)など、X-Fiプロセッサーの持つ機能の一部は備えているものの、処理負荷の非常に高いEAX ADVANCED HD 5.0には対応しない製品だ。どちらも製品名に「X-Fi」の名を冠するものの、カード自体が持つポテンシャルはかなり違う。
X-Fi Titaniumシリーズのラインアップ
X-Fi Titaniumシリーズは、カードのバスインターフェースにPCI Express x1を採用した最新モデルだ。全機種がX-Fiプロセッサーを搭載。プロセッサー自体がPCI Express x1に対応したほか、従来のPCI版と比べて、若干の性能向上が図られているそうだ。
この先は縮小していく一方のPCIインターフェース用のサウンドカードを買うのにためらいを感じていた人も、PCI Express版のX-Fi Titaniumなら、今後も安心して使えるだろう。
日本で販売されるX-Fi Titaniumシリーズには、3種類の製品バリエーションが用意される。いずれもX-Fiプロセッサーを備える点は変わらないが、シールドやオーディオ専用メモリー「X-RAM」の有無、付属品の構成などで違いがある。
PCI Express Sound Blaster X-Fi Titaniumのラインアップ
- PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium
- EMIシールドやX-RAM、I/Oドライブを省いたベーシックモデル。X-Fiプロセッサーによるサラウンド機能はほぼ同等。直販価格は1万2800円。発売時期は8月下旬。
- 同 Professional Audio
- プロオーディオ向けに高品質録音・再生機能を打ち出した日本独自モデル。カード自体は上位のX-Fi Titanium Fatal1tyとほぼ同じ。I/Oドライブは付属しないが、アナログオーディオケーブルが4本付属する。直販価格は1万7800円。
- 同 Fatal1ty Champion Series
- 最上位モデル。カード本体と、3.5/5インチベイ用ユニット「X-Fi I/Oドライブ」が付属する。クリエイティブストアでの直販価格は2万2800円。
今回はシールドとX-RAMを備える上位2製品を取り上げる。Fatal1ty Championは、次ページで説明する「X-Fi I/Oドライブ」による手軽な操作が魅力だ。
一方のProfessional Audioは、実売2万円未満という手頃な価格と、金プラグのステレオオーディオケーブルが4本も付属していて、スピーカーとウーファーさえあれば、すぐにでも最大7.1chのサラウンド環境を構築できる点が魅力となっている。