ブロケード コミュニケーションズ システムズは12月21日、都内で記者会見を開き、2007年のビジネスの総括と2008年に向けてのビジネス戦略を発表した。
DCF構想を中心にビジネスを広げていく
競合するSANベンダーMcDATAとの統合完了やHBA市場への参入、次世代データセンター構想「Data Center Fabric」(DCF)の発表など、大きな話題を提供した2007年を振り返り、ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社 代表取締役社長の石本竜太郎氏は「新しいブロケードに変わるための一年だった」と振り返る。
さらに、2008年に関しては「大企業の多くはデータセンターの構築をすでに終わらせている。この構築されたデータセンターをいかに次世代データセンターへの道筋をいかにつけるかが課題となる」(石本氏)と語る。次世代データセンターに向けた課題として、石本氏はコストの削減、複雑性の削減、アーキテクチャの見直しの3つを指摘。その上で、「これらを解決するものがDCF」であるとした。
DCFとは仮想化によるサーバの統合やSAN技術によるストレージ統合によって、データセンターの単純化・低コスト化を実現する構想。2008年上半期に、この構想の中核となるバックボーン・プラットフォーム「Brocade DCX」やDCFに対応したHBA・ISAを次々に投入していくことを明言した。販売戦略に関しては、既存のビジネスパートナーとの関係強化を図りながらも、DCF推進のために、エンドユーザー企業へのハイタッチ営業も重点的に行なっていくという。
また、環境面への配慮も積極的に行うことを明言し、「消費電力と発熱の少ない製品によって顧客のCO2削減にも貢献していきたい」(石本氏)と語った。
さらに石本氏は「ワールドワイドで2010年までに40億ドルという売り上げ目標を掲げている。この目標は現在のブロケードのビジネスだけで達成できるとは思っていない。国内でも他社の買収まで視野に入れて、ビジネス拡大の可能性を探っていく」と語り、今後の同社の拡大戦略を強調した。