実務に即したカテゴリーや属性をいかに柔軟に設定できるか
エンタープライズサーチにおいても(というよりも、エンタープライズサーチにおいてこそ)、バーチカルサーチ的な考え方は重要になるだろう。
例えば、設計文書をサーチする時には、「関連するキーワードを含む設計文書」を結果として示すだけではなく、同じ製品の設計文書に複数のバージョンがある場合には、結果に「製品番号ごとにまとめて表示する」ことが必要であるかもしれない。
これは、設計文書というエンティティー(まとまり)には製品番号というアトリビュート(属性)があり、そして、「同じ製品番号に対して複数バージョンの設計文書が存在する可能性がある」という業務上の知識を適用して初めて実現できる機能である。
ブラックボックス的なサーチエンジンを使って、ホリゾンタルな検索を行なったのでは実現できない機能だ。
エンタープライズサーチのプラットフォームを選択するときには、このような業務特有のロジックや企業特有のコンテンツの構造を検索処理や結果のランキングに取り込める「柔軟な機能」が提供されていることが、重要な選択基準のひとつになるだろう。
筆者紹介-栗原潔
(株)テックバイザージェイピー代表、弁理士。日本IBM、ガートナージャパンを経て2005年より独立。先進ITと知財を中心としたコンサルティング業務に従事している。東京大学工学部卒、米MIT計算機科学科修士課程修了。主な訳書に『ライフサイクル・イノベーション』(ジェフリー・ムーア著、翔泳社刊)がある。
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