(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ、KDDI(株)、ソフトバンクモバイル(株)の3社は24日、共同で行なっている携帯電話システムの電波が生体へ与える影響についての実験結果を発表した。携帯電話基地局からの電波の安全性について再検証できたとしている。
この実験は2002年11月から開始しており、“細胞の増殖”“遺伝子の働き”“DNA鎖切断”などへの影響については2005年4月26日に“影響がない”と中間報告していたが(関連記事)、携帯電話基地局からの電波の影響がないことを検証するために、引き続いて実験を行なっていた。
その結果、基地局を想定した実験でも、細胞レベルおよび遺伝子レベルでの電波による生体への影響が確認されなかったという。さらに、その結果は「電波が細胞構造や機能(DNAや遺伝子の働きなど)に影響を与えて、がんの原因になるかもしれない」という主張を否定する科学的証拠のひとつになるという。
実験は、NTTドコモが設計・開発した電波照射システムにW-CDMA方式の電波を乗せ、細胞培養装置に複数のヒト細胞を設置して、その変化を観察したもの。電波照射は、携帯電話基地局からの電波に対する防護指針値を基準にしており、電波強度を1倍から10倍の範囲で行なったという。実際の実験は(株)三菱化学安全科学研究所に委託して実施した。