デロイト・オーストラリアがオーストラリア連邦政府向けに作成したレポートで、生成AIの使用による誤った参照・引用情報が複数見つかり、手数料の44万豪ドル(約4400万円)から一部を返還する合意に至ったという。複数の海外メディアが報じている。
報道によれば、問題になったのは2025年7月に完成したレポート「Targeted Compliance Framework Assurance Review」。オーストラリアの雇用・職場関係省が同社に依頼したものだ。同省は8月にサイトでレポートを公開したが、シドニー大学のクリストファー・ラッジ准教授が内容を精査したところ、存在しない学術論文からの引用など、問題ある出典が多数発見された。これはAIが足りないデータを補おうとして誤った情報を生成する「ハルシネーション」が原因とみられる。
指摘を受けて、同省では9月下旬にレポートの更新版を再公開した。このレポートのなかでは、マイクロソフトの「Azure OpenAI GPT-4o」をツールとして活用したことが末尾に明記された。ただしデロイトは、レポートの主な内容や結論に影響はないと主張している。
