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セブンアールジャパンの西川氏とASRockの原口氏にコダワリを聞いてきた

パソコンショップSEVENとASRockのコダワリが炸裂! Threadripper PRO 7995WX搭載BTOPC

2024年04月15日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

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マザーボードはASRockのWRX90 WS EVO
Qualified Vendor List記載のメモリーモジュールなので安心

Threadripper PRO 7995WXを搭載したZEFT RTH60ASR

──今日はよろしくお願いします。今回のZEFT RTH60ASRを取り扱うにあたり、難しかったことはありますか?

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):メモリーですね。Threadripper PRO 7995WXでは、メモリにサーバー用とされる「ECC Registered」のDDR5モジュールが必要になるのですが、弊社ではこれまで扱ったことがありませんでした。検証や商品選定が難しい部分になりますが、こちらに関しては社内検証だけでなく、ASRockさんからメーカー検証情報を共有いただき、検討いたしました。今回のメモリーはSumsung製のECC Registered DDR5 4800MHzで、8チャンネル構成となります。32GBモジュールを8枚で、容量は256GBになります。

原口有司氏(以下、原口氏):今回、パソコンショップSEVENさんに採用していただいたメモリーモジュールは、弊社の「Qualified Vendor List」に掲載されているものですので、安定性も良好です。

──メモリーモジュールは64GBのものもBTOで選べるようになるのですか?

中嶋氏:現在のところ予定はないのですが、必要なお客様がいらっしゃれば別途ご相談いただければと思います。

西川 龍氏(以下、西川氏):弊社では、Threadripper搭載パソコンは3000シリーズから結構な台数を販売してきた実績があります。その際、お客様の半数以上がメモリーに関して最大容量の構成を選ばれます。ですので、64GB×8枚構成は考えていきたいところですね。

10G LANを2つ搭載し20G LANとしても使用可能、無線LANはあえてなし
電源部は18+3+3フェーズ構成とかなり豪華、20Kコンデンサを搭載

──マザーボードにASRockの「WRX90 WS EVO」を選んだ理由はありますか?

中嶋氏:過去Threadripperの3000シリーズでも5000シリーズでもASRockさんのマザーボードを採用していた経緯もあり、昨年だったと思いますが、今回の7000シリーズでもご相談させていただきました。信頼性と汎用性に優れた点が大きな決め手です。

原口氏:WRX90 WS EVOですが、前世代からの大きな変更点として、IO周りが充実していることが挙げられます。SFF-8654コネクターからなるSlimSASや、PCI Express Gen.5に対応したMCIOコネクター、Type-CのUSB 4といった高速なインターフェースを搭載しています。機械学習やAIなど、パソコンで処理をしたあとに、それをどのようにストレージに書き出すかは、結構重要視されるテーマだと思います。そこで、WRX90 WS EVOはそのあたりを重点的に強化した形です。さらに、Intel X710を搭載して10G LANを2ポート用意していますので、2つを束ねてチーミングして20G LANとして使用することもできます。あと対応CPUは、仕様上ではTDPが350Wまでとなっているのですが、実際に検証してみたところ700Wでも問題なく動作しました。劣悪な環境でも安定動作するように40mm角のファンを5基搭載しています。これらは一定の温度以上になると回転を始め、マザーボードの温度が85度に収まるようになっていますが、一般的な室内で運用する限りは、これらのファンが回転しだすことはほとんどありません。

WRX90 WS EVOはIO周りが特に進化を果たしたと語る原口氏

──WRX90 WS EVOの電源部についてはいかがですか?

原口氏:電源部も18+3+3フェーズ構成とかなり豪華な作りになっていまして、1フェーズあたり110Aの電流に対応するSmart Power Stageにより、変換効率はおおよそ95%程度を実現しています。また、PCI Express x16スロットの信号はすごくシビアで、CPUから遠くになるにつれて安定動作が難しくなってきます。そこで、WRX90 WS EVOでは、PCI Expressの信号を安定させるため、サーバーグレードの超低損失のPCBにリドライバーICを設置して、正しくデータのやり取りをできるようにしています。また、従来のハイエンドモデルなどでは12Kや15Kコンデンサを採用していたのですが、WRX90 WS EVOではASRockがコンデンサメーカーさんと共同開発を行なった、20Kコンデンサを搭載しています。これにより、製品寿命はかなり伸び、耐久性も良好です。

──ネットワークの話が出ましたが、WRX90 WS EVOには無線LANは搭載されていないんですね。

原口氏:今回は意図的に無線LANを外しています。というのも、研究施設などではたとえ無線LANを使用しない場合でも、マザーボードに実装してあると、ハッキングを受ける可能性があります。結構、社内でも無線LANを搭載するかどうかは、ギリギリまで悩んだのですが、そういたセキュリティ対策から搭載しないことに決めました。ですので、WRX90 WS EVOを見ていただけると分かるのですが、無線LAN用のパターンは残っています。

──Threadripperはどういったユーザー層の需要があるのでしょうか?

中嶋氏:ちょうど先日、弊社でThreadripperの3000シリーズを購入されたお客様から問い合わせがあったのですが、その方は将棋の演算に使われているようでした。そのほかですと、大学の研究用や電気メーカー、研究開発法人や製薬会社、映像スタジオなど企業の中でも専門的な計算が必要なお客様が購入されていますね。ちょっと変わったところでは、コンサルティング会社を介して購入される方もいます。

原口氏:最近では藤井聡太さんの影響もあってか、将棋系で購入される方が多いですね。あとは、流体計算とかでしょうか。これは海外の話になるのですが、WRX90 WS EVOだとPCI Express x16スロットが7本あるので、GPUクーラーをすべて水冷化して、7枚のビデオカードを装着して、GPUに計算させるといった使い方をされてるところもあります。

中嶋氏によると、Threadripper搭載モデルに関する問い合わせも少ないとのこと

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