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eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ 第7回

SUPER GT第7戦オートポリスでチーム地元レースで意地をみせる冨林だが、トラブルで上位に食い込めず

2022年10月26日 15時00分更新

文● 吉田知弘 写真●加藤智充 編集●ASCII

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 2022年のSUPER GT第7戦が10月1~2日にオートポリスで開催され、冨林勇佑/平木玲次が駆る「マッハ車検AIRバスター MC86 マッハ号」は、GT300クラス25位となった。

年に一度のチーム地元開催で
俄然気合いが入る1戦

 今回の舞台は、年に一度の九州開催となる大分県のオートポリス。TEAM MACHにとっては地元レースということで、毎年、玉中哲二チーム代表をはじめ、スタッフ全員がベストリザルトを目指そうと気合いが入るレースだ。

玉中哲二チーム代表(中央)

 今シーズンの5号車は第3戦鈴鹿で2位表彰台を獲得したものの、それ以降はポイントを獲得できておらず、チームの地元でたくさんのファンの声援を受ける中で、ポイント圏内でのフィニッシュを目指し、土曜日の練習走行からマシンのセットアップに取り組んだ。

 SUPER GTでは前戦までのポイントに応じてサクセスウェイト(ハンデ)を搭載しなければならない。5号車は第6戦まで45kgのウェイトを背負っており、それが苦戦の理由のひとつにもなっていたのだが、この第7戦ではウェイトの計算が1ポイントあたり3kgから、1ポイントあたり1.5kgになり、5号車は23kgとこれまでより軽いウェイトでレースに臨むことになった。

頼れるエースに成長した冨林選手が
会心の走りを見せて予選1回目を通過!

 その分、戦闘力も上がるかと思われたが、ライバルも手強くなりなかなか上位にいけない。土曜日朝の公式練習では20番手に終わり、今回もQ1突破は大きなハードルになるかと思われた。しかし、そういった時に“なんとかする”のが、頼れるエースに成長した冨林だ。

 Q1B組に出走した5号車の冨林は着実にタイヤを温め、徐々にペースアップ。計測3周目からタイムアタックに入った。ここでは1分44秒415を記録したが、内圧の感触を考えると、もう1周アタックに行けると判断。1分44秒147までタイムを伸ばし、8番手でQ2進出を果たした。

 このオートポリスでは、大きく回り込むコーナーが多いこともあり、得意とするフロントタイヤの“グリップのおいしいところ”があまり長く続かない傾向がある。そのため、タイムアタックは一発でしっかりと決めなければいけないのだが、冨林はタイヤの状況も感じ取りながら、Q2へ進出するタイムを叩き出した。

 「Q1A組のタイムと比較しても、良い感じだなと思っていたのですが、タイヤの内圧も今ひとつ(ベストなところに)来ていなかったので、もう1周アタックに行きました。感触としては3番手から4番手あたりにいけたかなと思ったんですけど、無線で聞いたら8番手でギリギリ通過だったので、そこは驚きました。思いの外、周りも速かったですね」と冨林。ひとまずQ1を突破できたことに安堵の表情を見せていた。

 続くQ2は平木がマシンに乗り込み、タイムアタックを敢行。こちらも計測3周目と4周目でタイムアタックを試みたが、特に計測4周目の最終セクターでペースが上がらず。最終的に1分45秒341のベストタイムで14番手につけた。

夏のような気温に翻弄された決勝レース

 日曜日の決勝レースは気温26度、路面温度46度と10月らしからぬ暑さの中でレーススタートを迎えた。14番手スタートの5号車は平木が第1スティントを担当。中団グループのなかで必死にポジションを守ろうとしていたが、15周目の1コーナーで他車とのバトル中に接触を受け、コースオフしてしまった。この影響でFCYが導入。その間に、マーシャルやFROの手を借りて、平木はレースに復帰することができたが、この時点で2周の差がついてしまい、ポイント獲得の可能性は絶望的という状況になってしまう。

 それでも、地元レースで諦めるわけにはいかない。5号車チームは気を取り直して、残りのスティントを戦うことを決意した。

 19周目にピットインし、平木から冨林に交代。そこからひとつでも上の順位を目指して走ったが、思った以上に好ペースで周回を重ねていた。ここ数戦はレース中に様々なトラブルに悩まされるも、今回の決勝に関してはトラブルフリーで走行。最終的にトップから4周遅れの25位でフィニッシュした。

冨林選手「レースならアクシデントはつきものなので仕方がないですが、序盤でああいう形になってしまったので悔しいです。でも、クルマはすごくよくて、スティントの後半はかなり良いペースで走っていました。ただ、トップ集団とかはレースをしているので、そこを譲りながら走ると、どうしてもタイヤのピックアップ(タイヤカスが付着すること)が起きてしまって、それを取りながらペースを戻すというのを繰り返していました。正直いうと、周りと競り合うようなレースをしたかったですね」

平木選手「序盤からペースは悪くなくて、タイヤ無交換を想定して、ペースとかも考えていたんですけど、残念な結果になってしまいました1コーナーでのアクシデントは、ブロックしていて相手の動きも見えていたんですけど、あそこでヒットされてしまうと、どうしようもできなかったです。うまくいかなかったですね。ただ、ウェイトが半減された分、バランスも取り戻しつつあるので、最終戦のもてぎはあまり相性は良くないですが、前を目指してチームとともに頑張りたいです」

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