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手を握って痛みや恐怖を和らげるロボット、筑波大が開発

2022年10月23日 07時55分更新

文● MIT Technology Review Japan

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筑波大学の研究チームは、人が手にはめて握ることで、痛みや恐怖を和らげることができるロボットを開発し、その効果を確認した。注射などの医療処置中の痛みや恐怖を軽減する狙いがある。

筑波大学の研究チームは、人が手にはめて握ることで、痛みや恐怖を和らげることができるロボットを開発し、その効果を確認した。注射などの医療処置中の痛みや恐怖を軽減する狙いがある。 研究チームは、被験者に利き手でロボットを握ってもらい、反対側の腕に熱刺激装置から痛みを加えた。その上で感じる痛みや、痛みを加える前後の不安度合いなどをPAS(Pain Assessment Scale)を使った口頭聴取やアンケート、唾液分析で検証した。被験者のうち、66名から得られたデータを分析した。 ロボットは、大人の握りこぶし大の大きさで、柔らかな毛皮で覆われている。3つの小型エアバッグを内蔵しており、外付けのポンプで空気圧を調節することで、3つそれぞれのエアバッグを自在に膨張収縮させることが可能だ。さらに、人が握る動作を検知する圧力センサーも内蔵している。人が握ったときに、手の甲側と側面にあるエアバッグを膨張させて、握られていると感じさせることも可能だという。 分析の結果、口頭聴取の結果から、ロボットを握っているときは痛みが有意に減少していた。さらに、ユーザーが握ったときにロボットが握り返す用にした場合では、唾液中のオキシトシンが減少する傾向が認められた。オキシトシンはストレス・レベルの低下に合わせて減少する傾向があるホルモンだ。 研究成果は10月17日、サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)誌に掲載された。

(笹田)

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