第24回 チームの共同作業がはかどる! Dropbox Businessを使いこなそう
中小企業が請求書や領収書といった電子書類をシンプル、安価に保存するために
Dropbox Businessを改正電帳法要件に対応させる「PlusFind」を使ってみた
提供: Dropbox
2022年1月に電子帳簿保存法(電帳法)が改正された。電帳法は、国税関係書類を電子データで保存することを可能にする法律だ。1988年7月に施行され、年を経るごとに条件が緩和されて来た。2022年の改正では、受け取った紙書面を電子保存したい場合にこれまで必要だった税務署への申請手続きが不要になるなど、電子保存のための条件緩和がさらに進んだ。
一方、今回の改正で義務化されたこともある。特に大きなものとしては、取引先と電子データとしてやり取りした書類に対する電子保存の義務化だ。たとえばメールで受け取った請求書、Web発行された領収書などは、プリントアウトではなく電子データとして保存しなければならなくなったわけだ。国税関係書類は原則として7年間保管しなければならず、PCの内蔵ドライブで確実に保管しておくには、少し長い期間だ。
加えて、保存要件の1つとして、電子データ化した書類を「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目で検索できるようにすることも定められている※注。大きな企業であればERP(統合基幹業務システム)などのシステム導入でこの要件をクリアできるだろうが、中小規模の企業だと大きなIT投資には手を出しづらい。
※注:このほか今回の要件緩和により、書類にタイムスタンプを付与しなくとも、訂正/削除の履歴が確認できるシステムで保存すれば要件を満たすことになった。
そんな課題に対応する手軽なソリューションとして、2022年8月、エムティーアイから「PlusFind(プラスファインド)」が発売された。
PlusFindは「Dropbox Business」と連携し、改正電帳法の検索要件を満たすかたちで書類のアップロード、管理、検索ができるクラウドサービスだ※注。ファイルのセキュアな長期保管に適したDropbox Businessに、電帳法対応の機能だけを“プラス(アドオン)”するシンプルなツール、といったイメージである。
※注:なおDropbox Business側では、「原則7年間保管」という要件を確実に満たすために「データガバナンスアドオン」の追加が推奨される。データガバナンスアドオンに含まれる「エクステンデッドバージョン履歴(EVH)」により、電帳法のファイル保管要件を満たせる。
今回は、テストアカウントを用意してもらえたので、実際に使ってみたレビューを紹介しよう。
まずは利用の申し込みからだ。PlusFindは代理店経由での販売となっているので、Dropbox Businessの販売代理店に問い合わせをしてほしい。利用契約を結んでアカウントが発行されたら、PlusFindにアクセスして「Dropbox連携」の「現在のDropboxアカウント情報に更新」をクリック、自社で利用しているDropbox Businessアカウントと連携させる。
PlusFindでは大きく3つ、ユーザーを管理する「ユーザー管理」、書類の収納先フォルダ(「収納先ケース」と呼ぶ)の設定やアクセスができる「収納先発行/電帳法対応」、書類をアップロード/検索できる「アップロード/検索」の機能が用意されている。
管理者はまず、利用する社員を「ユーザー管理」で登録しよう。その際、ユーザーごとに上述した3つの機能の利用権限を設定できる。管理者や経理関係の社員はすべての機能を、それ以外の一般社員は「アップロード/検索」のみ有効にすればよいだろう。
書類の収納先フォルダは、あらかじめDropbox Business上で作成しておく。次に、Plus Findで「機能切り替え」をクリックして、「収納先の登録」画面で「Dropboxフォルダを収納先ケースに登録」をクリックする。Dropbox Bussiness上のフォルダ一覧が表示されるので、そこから保存先とするフォルダを選択する。最後に収納ケース名(PlusFind上の表示名)を入力し、「収納先ケース登録」をクリックすれば登録完了だ。。
なお、収納先ケースを登録する操作には、Dropbox Businessの管理者権限が必要になる。また、複数の収納先ケースを設定できるので、書類の種類や年別などで区分してもよいだろう。
収納先ケースを登録したら「共有用URL」が発行される。このURLをメールなどで従業員に伝え、個々人のユーザーアカウントで収納先として登録してもらう。これにより、各ユーザーのアップロード先として収納先ケースが表示されるようになる。
設定作業が済んだので、実際に書類を登録してみよう。
「アップロード」画面を開き、収納先ケースにファイルをドラッグ&ドロップする。新しい書類の登録画面が表示されるので、「アップロード名(件名)」や「登録者」「契約日/発行日」「取引先」「金額」「書類分類」などの検索用情報を入力する。ここをきちんと入力しないと電帳法の検索要件を満たさなくなるので、ここはユーザーにも周知徹底しておこう。
ちなみに、アップロードするファイルはPDFファイルでなくてもOKだ。画像、Word、Excelといったファイル形式でも保存、管理できる。また、ここでアップロードする際の件名を、ファイル名ではなく自分で付けられるのもありがたい。請求書や領収書のファイル名は取引先によってまちまちだ。「請求書」だけだったり、番号だったり、何ならこちらの社名になっていたりもするからだ。
すべて入力したら「アップロードする」をクリックする。入力した検索用情報はファイル本体とひもづけて記録され、検索時のタグとなる。
続いて検索機能を試してみよう。「検索」画面ではユーザー自身がアップロードしたデータを検索、閲覧できる。「詳細」をクリックすれば、入力した検索用情報を確認できる。さらに「元ファイルへ」をクリックすればDropbox Businessが開き、ファイル内容のプレビューが表示される。ちなみに、現時点ではいったん入力した検索用情報は修正できない仕様だが、今後は情報の編集や管理も可能にする予定だという。
なお「収納先発行/電帳法対応」の権限が与えられているユーザーは、「全社検索」から全ユーザーがアップロードしたファイルを検索することもできる。もちろん、電帳法の検索要件どおりに「取引年月日」「取引金額」「取引先」の項目で絞り込み検索も可能だ。
PlusFindの利用料金はユーザー数により変動するので、詳しくはDropbox Businessの販売代理店に問い合わせてほしい。また、Dropbox Businessおよびデータガバナンスアドオンの契約、利用料金は、PlusFindとは別に必要となる。
PlusFindのインタフェースはとてもシンプルに出来ており、どんな社員でも迷わず利用できそうだ。ふだん使っているDropbox Businessに“プラス”するかたちなので、電帳法対応のために大がかりなシステム導入をするのは無理という会社でも、手を出しやすいだろう。
(提供:Dropbox)
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