海外留学して英会話ができるようになりたい! でも、時間もお金もないと留学をきっかけとした英会話の上達を諦めている人は多いのではないでしょうか。
しかし、『読む英会話留学』『日本人が知らない、はずむ英会話術』などの英会話本を執筆し、自身も留学経験のある沼越康則氏は、「留学しなくても自宅や移動中に上達する。むしろ自宅や移動中に一人でトレーニングしている人の方が効率よく上達する」と話します。
英会話が上達する人と上達しない人の差はどこにあり、どんなトレーニングが上達につながるのでしょうか。沼越氏に話を聞きました。
沼越 康則(ぬまこし やすのり)
1980年、千葉県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。アメリカ シアトルのワシントン大学でインターナショナルマーケティングを学ぶ。その後は、アメリカのレストラン、イベント、カフェ、バー、ファッション業界、映画館のほか、さまざまな会社のプロモーション業務を担当。その活動が、米国メディアで紹介される。自らの経験や交流をベースに、ネイティブに取材して英語学習教材を多数制作し、自身が運営するYouTubeの「This is 英会話」チャンネルにて紹介、英会話の指導等を行なっている。
上達するのは「自主トレ」ができる人
── 沼越さんは、これまで英会話が上達した人と上達しない人をたくさん見てきたと思います。スバリ英会話が上達する人と、しない人の差はなんだと思いますか?
私はアメリカ英語を学んでいる人をたくさん見てきたので、アメリカ英語に限定してお話しますが、英会話がすぐ上達する人に共通することは、自分で英語を話すトレーニングをしたり、いろんなアメリカ人の英語を聞くトレーニングをしていることです。
留学すれば英会話は上達すると思い込んでいる人もいますが、留学しても授業はアカデミックな内容で実践的な英会話が学べるわけではなく、アメリカ人と会話する機会が持てない人も多いので、留学しても英会話が上達できずに帰国する人は意外と多いんです。
留学先で短期間で上達した人は、自分で英語を話すトレーニングと聞くトレーニングをしている人が多い印象です。留学しなくても、自宅や移動中に自分で英語を話す、聞くトレーニングをすれば、効率よく上達しますし、実際にそういう人が増えてきています。
── 自分でトレーニングですか。具体的にお伺いしたいのですが、まず英語を聞くトレーニングはどうすればいいと思いますか?
いろんなアメリカ人が日常会話で話すリアルな英語をたくさん聞いて慣れることが大事だと思います。私たち日本人もそうですが、人それぞれ英語を話す速さや話し方が違います。アメリカ人も同じです。たった数人のアメリカ人の英語を聞いただけで英語を聞き取れるようになるのは難しいです。そして、英会話本や英会話スクールで先生が話す英語と実際にアメリカ人が話す英語は速さや英語表現が違ったりします。だから、アメリカ人が普段話す生の英語を動画などでたくさん聞いて慣れることをお勧めします。
ポイントは、話している内容をすぐに確認することです。何を話しているか確認しなければ、結局何を言っているかわからずに終わるので時間の無駄になってしまいます。できれば和訳もついていると、すぐに会話の内容を確認できるので効率よくトレーニングできます。もちろん最初は和訳を隠しておいて、英語だけ聞くようにするといいですね。
YouTubeでいろんなアメリカ人の生の日常会話を英語と日本語訳の字幕付きで見るのもいいと思います。数人ではなく、いろんなアメリカ人の実践的な英語を聞くこと、話している英語内容をすぐ全部確認すること、これを繰り返すことが大事だと思います。