メタが10月12日、自社イベントConnectでついに「Quest Pro」を発表しました。10月26日発売で、価格は22万6800円(!)。発表内容についてはあらためてまとめますが、今回はQuest Proの売上を左右しかねないVRゲームの話をしようと思います。
いまVRゲームで久々にヒット作品が出ているんです。Meta QuestおよびSteam VR(PCVR)用の「BONELAB(ボーンラボ)」というゲームなんですが、現段階でも既に私の推計で30〜40万本を売っていて、先週見ていたところ同時接続数は一時Steamのみで4000くらいまで行っていました。今年最大のヒット作になる可能性もあると予想しています。
最大のポイントは「物理体験」
BONELAB
発売日 2022年9月30日
価格 3990円
Stress Level Zero
https://store.steampowered.com/app/1592190/BONELAB/
BONELABは物理体験によるパズル要素と、シューター要素が入ったゲームです。
作っているのはアメリカのベンチャー、ストレスゼロラボ。BONELABは彼らが2019年に発売し、Steam VR発売から3日で20万本程度を売ったヒット作、「BONEWORKS(ボーンワークス)」の続編にあたります。BONEWORKSは見るからにFPSゲー厶「ハーフライフ(Half-Life)」を意識していて、「VR版ハーフライフ」と言われていたこともありました。
ゲームのポイントは、VRならではの没入感を強調する物理体験をうまく実現していたことにありました。VR空間の中でモノに触ったり、オブジェクト同士を動かして干渉させたりという体験です。彼らはBONEWORKSを出す前にデモンストレーションを出していたんですが、そのとき最初にやったのも、手でモノをつかむといった普遍的な物理システムをちゃんと作ることでした。
今回のBONELABでも物理体験へのこだわりがしっかりと追求されています。リリース前にアピールされていたゲーム内機能のひとつがアバターに関連する物理体験です。
NODEという彼らの自社メディアを見てみると、ゲーム内のアバターに関する解説が出てきます。ゲームを進めていくとアバターを切り替えられる部屋が出てきてサイズを指定できるようになっていますが、たとえば相撲取りのようなキャラクターを選んでも腕がめりこんでいないことがわかります。体のラインに合わせた当たり判定が設定されていて、体をさわっていることがフィードバックでわかるようにも設定されています。
あるレビュアーはYouTubeで「これが最高のゲームだということはもう問題じゃない、BONELABは超弩級の成功を保証している。なぜならアニメ調の美少女キャラが使えるんだ。おっぱいをさわれる状態で!!」と語っていました。これも胸に当たり判定が入っているから手で触ることで「揺らせる」わけですが、みんな好きですよねぇ……(笑)。
ゲームにはいろんなMODを入れられるようになっていて、ゲーム本編が終了した後もサンドボックスとして物理体験を活かして遊び続けられるようになっています。こういうところもゲームの製品寿命を長くしてきたところではないかなと思っています。キャラクターを追加できるMOD機能もリリースされており、今後様々なキャラクターがユーザーにより追加されるといったことが起きてくるでしょう。
この連載の記事
-
第83回
AI
リアルすぎてキモい 動画AIの進化が止まらない -
第82回
トピックス
もはや実写と間違えるレベル 動画生成AI「Runway」の進化がすごい -
第81回
AI
AIイラスト、こうしてゲームに使っています -
第80回
AI
ゲーム開発はAI活用が当たり前になりつつあるが、面白さを作り出すのは人間の仕事 -
第79回
AI
AIが考える“アイドル”がリアルすぎた グーグル「Imagen 3」なぜ高品質? -
第78回
AI
話題の画像生成AI「FLUX.1」 人気サービス「Midjourney」との違いは -
第77回
AI
画像生成AI「FLUX.1」が相当ヤバい LoRAで画風の再現も簡単に -
第76回
AI
「Stable Diffusion」の失敗に学び、画像生成AIの勢力図を塗り変える「FLUX.1」 -
第75回
AI
商業漫画にAIが使われるようになってきた -
第74回
AI
AIバブル崩壊をめぐって -
第73回
AI
AIは著作物の「フェアユース」と言えるのか 音楽業界vs.AIミュージック - この連載の一覧へ