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貴金属・有害物質を含まない電子回路で通信信号を生成=NTTなど

2022年10月11日 16時26分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NTTと東京大学の共同研究チームは、環境負荷の低い材料のみで構成した電池(低環境負荷電池)と回路(低環境負荷回路)を用いてセンサーデバイスを作製。実証試験において、通信信号を生成することに初めて成功した。

NTTと東京大学の共同研究チームは、環境負荷の低い材料のみで構成した電池(低環境負荷電池)と回路(低環境負荷回路)を用いてセンサーデバイスを作製。実証試験において、通信信号を生成することに初めて成功した。 研究チームは、「資源性を考慮し、貴金属を使用しないこと」と「有害性を考慮し、原則、環境経由で人間や動植物に影響を与える恐れのある化学物質群を使用しないこと」を考慮して、7種類の元素(水素、炭素、窒素、酸素、マグネシウム、アルミニウム、硫黄)のみで構成する低環境負荷な材料を選定。これらの材料を用いて、低環境負荷回路・低環境負荷電池を作製した。 低環境負荷回路は、カーボン材料で全電極を構成する有機トランジスタ作製プロセスを開発し、カーボン電極有機トランジスタを用いて、CMOS構造のアナログ発振回路やデジタル変調回路を構成した。有機半導体で構成した低環境負荷回路を駆動するには高い電圧が必要なため、低環境負荷電池の開発では、カーボンを電極として適用するための3次元の導電性多孔体構造の形成、および電池の直列化構造による高電圧化に取り組んだ。 IoTの進展に伴い、さまざまなモノがデバイス化していくようになると、デバイス自体の存在に気づきにくくなり、そのまま一般ゴミとして捨てられる恐れが高くなる。そのため、廃棄時においても環境・生物への影響が小さい材料を選択したデバイスの開発が求められている。 今回の研究成果については一部が、サイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)に2022年10月7日付けで掲載された

(中條)

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