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RTX 3070 TiにDDR5メモリー、PCIe 4.0 SSDを採用

クリエイターでノートパソコンに高性能かつ大画面を求めるなら、raytrekの17.3型がイチオシ!

2022年07月15日 11時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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「raytrek R7-AA7T」

 「raytrek R7-AA7T」は、サードウェーブのクリエイター向けブランド「raytrek」のハイエンドノートパソコンだ。ディスプレーサイズが17.3型と、一般的に多く採用されている15.6型よりも一回り大きなディスプレーを採用しているのが大きな特徴となっている。

 ノートパソコンは、デスクトップパソコンと比較して持ち運べるのが魅力だが、持ち運ぶためにはある程度の本体サイズの小型軽量化、さらにバッテリー駆動での稼働時間を稼ぐために多少のパフォーマンスが犠牲になってしまうことも少なくない。

 しかし、17.3型と広いディスプレーサイズは15.6型よりも一回り大きいくらいだが、作業性においてはそれ以上の差があり格段に向上する。また、本機の解像度は高精細に表示できるWQHD(2560×1440ドット)と、作業領域も広くなっている。

 raytrek R7-AA7Tは、CPUにインテルの第12世代Coreプロセッサー「Core i7-12700H」、GPUにNVIDIAの「GeForce RTX3070 Ti」と、いずれもノート用のCPUとGPUとしてハイエンドクラスのパーツを採用。屋内での持ち運びはともかく、モバイルするにはちょっと不向きな17.3型ディスプレーという点も含め、モバイル性能よりもパフォーマンス重視の方向性になっている。

 今回は、raytrek R7-AA7Tがどれくらいのパフォーマンスなのかを確認するために、ベンチマークテストを行なってみた。なお、本機の販売はすでに終了しており、後継モデルとして「raytrek R7-ZF」が登場している。こちらのモデルは、GPUはGeForce RTX 3070 Tiでraytrek R7-AA7Tと同じだが、CPUが「Core i9-12900H」へとグレードアップしている。そのため、今回のベンチマーク結果よりパフォーマンスは向上すると思われるので、その点はご了承いただきたい。

主なスペック
機種名 raytrek R7-AA7T raytrek R7-ZF(後継モデル)
CPU Core i7-12700H(2.3GHz~最大4.7GHz)、14コア/20スレッド Core i9-12900H(最大5.0GHz)、14コア/20スレッド
GPU GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU
メモリー 16GB DDR5(8GB×2、PC5-38400)
ストレージ 1TB Gen4 NVMe SSD
ディスプレー 17.3型(2560×1440ドット)、リフレッシュレート165Hz、sRGBカバー率約100% (sRGB比約103%)/AdobeRGBカバー率約76% (AdobeRGB比約77%)
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(2.5GBASE-T)、無線LAN(インテル Wi-Fi 6 AX201NGW、IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2
インターフェース UBS 3.2 Gen2、USB 3.2 Gen1×2、Thunderbolt 4(Type-C)、マイク入力、ヘッドフォン出力、HDMI 2.1、microSDカードスロット
内蔵カメラ HD画質Webカメラ、Windows Hello対応
サイズ/重量 およそ幅395×奥行262×高さ25mm/約2.3kg
OS Windows 11 Home(64bit)

文句なしの基本性能
クリエイティブにもしっかり使えるパフォーマンスを発揮

 なお、今回のテストではプリインストールされているユーティリティソフト「Control Center」の電源設定で「パフォーマンスモード」に切り替えてテストを行なっている。

キーカスタマイズやキーボードバックライトの設定、電源設定、デバイスの情報確認が行なえる付属ソフト「Control Center」

 まずは、CINEBENCH R23からチェックしていこう。CPU単体の性能が確認できる定番ソフトだ。今回は、デフォルトに設定されている連続10分動作後のスコアを計測している。スコアはマルチで「16013pts」、シングルで「1794pts」とかなりの好成績。

CINEBENCH R23の結果

 ノートパソコンでこれだけの性能が出るのは驚きだが、心配なのはCPUの発熱。そこで、テスト時にCPUコアの温度を表示するフリーソフト「Core Temp」を表示させてモニタリングしたところ80度ちょっとくらいまでは上がるが、まず心配のいらないレベルだった。なお、前述のとおり後継モデルのraytrek R7-ZFはCore i9-12900Hなので、このスコアよりも高いスコアになると予想される。

コア毎で多少のばらつきはあるが温度は安定している

 続いて、GPU単体の性能チェックができる3DMarkをチェック。ゲーム界隈のユーザーならここのスコアが一番気になるだろう。本機はクリエイター向けブランドでゲーム用途のパソコンとは違うが、使用しているCPUとGPUはともにゲーム界隈でも人気のあるハイエンドクラスのパーツとなっている。

 raytrek R7-AA7Tでの結果は、総合スコアが「10584」。内訳はGPUが「10386」、CPUが「11868」と高い結果となった。クリエイティブ向けのノートパソコンではあるが、ディスプレーのリフレッシュレートが165Hzなので、仕事終わりにはそのままゲームプレイにバリバリ使えるのもうれしいポイントだ。

Time Spyで総合スコア「10584」は十分に高い数値。さすがはRTX 3070 Tiといったところだろう

 パソコンのさまざまな利用状況をシュミレートして、総合的な性能を計測することができる「PCMark 10」も計測。結果、総合スコアは「7278」とかなりいい数値だ。各項目を見ても5桁台が多く、4桁の項目のほとんどが9000近くまで上がっているので、あらゆる作業で快適な動作が行なえるといっていい。

PCMark 10の結果

 ラストは、CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックした。試用機にはPCIe 4.0のマイクロン製1TB SSDを搭載している。、シーケンシャルリードが約6700MB/s、ライトが5000MB/sと、転送速度は十二分に速く、容量も1TBあるので運用する上でさしあたり困ることはないだろう。

読み書きともに理論値かそれ以上の結果が出ている

 raytrek R7-AA7Tの総合的な性能はとても高く、17.3型としては比較的薄くコンパクトなため、多少持ち運びに不便な点はあるが、性能面での実用性はかなり高いだろう。なお、後継モデルのraytrek R7-ZFの価格は27万9980円からとそれなりの価格ではあるが、長期間クリエイティブ制作に使うマシンとして考えるとコスパはかなり高い。

 次回は実際に仕事での使用頻度の高いソフトを使って実際の処理を行った場合の使用感をレポートしよう。

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