SXシリーズのいいとこどりして蘇る
VAIO S13が4年ぶりに第12世代CPU搭載やデザインを刷新して復活!
かつての売れ筋モデルが復活した。SXシリーズの誕生以降、刷新されることのなかったVAIO S13が7月5日に発表された。外観的にはかつてのVAIO S13に似ているものの、よく見るとさまざまな点で変わっている。今回は、事前にマシンをお借りできたので、早速レビューしていこう。
サイズが一回り小さく、薄く軽くなった
VAIO SX14が登場したとき、VAIO S13のサイズを踏襲しつつ、14.0型ワイド液晶を搭載したとうたっていたが、今回のVAIO S13は、画面サイズは従来の13.3型ワイドのママ、狭額縁仕様にすることで、一回り小さい筐体サイズになっている。
具体的には約305.8(W)×奥行215.1(D)mm×14.4~18.4(H)mmで、従来が約320.4(W)×216.6(W)×高さ15.0~17.9(H)mmなので、狭額縁になったぶん横幅が狭くなり、厚さも少し薄くなっている。
重量も約1.06~1.07kgから約1.049kg~1.055kgと僅かながら軽くなった。
デザイン的には従来モデルと同様にオーナメント部分はプレートタイプで、パッと見はあまり変化に気づかないかもしれない。しかし、電源ボタンはVAIO Zや新VAIO SXシリーズと同様に指紋センサー内蔵タイプに切り替わり、キーボードも新VAIO SXシリーズと同様の仕様。タッチパッドは従来モデルに比べて45%広くなっており、なによりインターフェースは、VGAを廃止し、新VAIO SXシリーズと同様の構成になっている。
電源も、USB-C端子を使用したものに変更。付属の電源アダプターは、新VAIO SXシリーズと違いコンパクトタイプではないものの、USB-C接続で充電できるようになったことはありがたい。
ディスプレーはフルHDのみで、タッチパネル付きはラインアップされてない。ただ、ディスプレー部が180度に開いて相手に見せられる仕様はVAIO SXシリーズと同様だ。
中身を見てみると、CPUは第12世代インテルCoreプロセッサーを採用。Core i7-1255U、Core i5-1235U、Core i3-1215UといったUプロセッサーと、Celeron 7305から選択できる。
メモリーは8GB/16GB/32GB、ストレージは第四世代 ハイスピードSSD(NVMe 暗号化機能付き)が256GB/512GB/1TB/2TBから、スタンダードSSD(NVMe 暗号化機能付き)は128GB/256GB/512GBから選択できる(CPUによって選択できないものもある)。
無線LANはWi-Fi 6で、4G LTEの搭載も可能。Webカメラも顔認証付きで、AIノイズキャンセリング機能などVAIO SXシリーズと同等の装備。カラバリはブラックとシルバーの2色のみで、新VAIO SXシリーズとの差別化がなされている。
Uプロセッサーでもなかなかの性能
今回お借りしたモデルのスペックは以下の通り。
今回計測したVAIO S13の主なスペック | |
---|---|
CPU | インテル Core i7-1255U プロセッサー |
画面解像度 | フルHD |
メモリー | 16GB |
ストレージ | スタンダードSSD(NVMe 暗号化機能付き) 256GB |
さっそく各種ベンチマークテストを行なった。なお「VAIOの設定」の「CPUとファン」で「パフォーマンス優先」にし、電源を接続した状態で計測している。
まずは、CPU性能を測る定番の「Cinebench R23.200」から。計測は標準設定の10分間回したときの値である。
結果は、マルチコアが6988ptsと7000に迫る値に。シングルコアも1613ptsとかなり良好だ。Core i7-1255UはPコアが2コア/4スレッド、Eコアが8コア/8スレッドの計10コア/12スレッドなので、VAIO SXシリーズに搭載されているCore i7-1260 P(P4+E8コア/P8+E8スレッド)には及ばないものの、かなり健闘しているといえる。
続いてアプリの実行性能をチェックする「PCMark 10」で計測。
結果は、スコアが5230とこちらも十分快適に作業できるレベルとなった。GPUがCPU内蔵インテルIris Xeグラフィックスで動作周波数は1.25GHzだが、Photo Scoreは10109と1万超えしているので、ちょっとした写真の編集などはこなせそうだ。
続いて、グラフィック性能をチェックする「3DMark」も実行してみた。実行したのはDirectX 11を利用する「Fire Strike」とDirectX 12を利用する「Time Spy」の2つ。
結果は、Fire Strikeがスコア4721とCPU内蔵GPUとしてはなかなかの数値。一方Time Spyはスコア1823と厳しめな結果になったが、このあたりは致し方ない。
ゲーミング性能のチェックとして、軽めの「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.51」と、ちょっと重めの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の2本を実行した。
結果は、ドラゴンクエストXの方は、グラフィック設定が最高品質のフルHDでスコアは8395の「とても快適」。ファイナルファンタジーの方は、グラフィック設定を標準品質(ノートPC)にし、フルHDでスコアが7187の「やや快適」となった。軽めの3DCGゲームであれば、快適にプレイできそうだ。
バッテリー駆動時間も「PCMark 10 Modern Office Battery Life」でチェックした。画面の輝度は20%にし、「VAIOの設定」の「CPUとファン」で「標準」にして計測している。
結果は、スコアが4703で12時間40分となった。各種アプリを連続実行したときの駆動時間計測なのでかなりキツく、公称値の約20.5~24.2時間には及ばないが、新VAIO SXシリーズでの同じテストの計測結果が約10時間前後だったので、それよりは2時間40分も持った。超低消費電力CPUであるUプロセッサーの採用が、この差の大きな要因だろう。
最後に、ストレージ性能も「CrystalDiskMark 8.0.4」でチェックした。
スタンダードSSDのため、結果は、シーケンシャルリードが3173MB/秒、シーケンシャルライトが1221MB/秒だった。第四世代 ハイスピードSSDを選択すれば、シーケンシャルリードで6800MB/秒程度は見込めるので、ベンチの結果もそれに合わせてアップしたはずだ。
バッテリー駆動時間重視な人に
各種ベンチマークテストの結果を見ても、意外と新VAIO SXシリーズに肉薄している上に、バッテリー駆動時間も長く、モバイルマシンとしてはバランスが取れていると言える。価格は、今回お借りした構成でVAIOストア価格24万500円。7月31日までならサマーキャンペーンで21万8500円と2万円以上安く買える。
ストレージを第四世代 ハイスピードSSDの512GBにすると、VAIOストア価格26万2500円。7月31日までならサマーキャンペーンにより24万500円で手に入る。
新規会員であれば、上記構成に4G LTEを付けるとサマーキャンペーン価格25万7000円(通常27万9000円)となるので、購入価格25万円以上で使える新規会員向けクーポン(2万5000円引き)が適用され23万2000円で購入でき、かなりお得だ。
新VAIO SXシリーズとの価格差は1万円強。SXシリーズと比べると、カラバリが限られ、Wi-Fiも6Eではなく、液晶カバーがマグネシウム合金であるなど、細かな違いはあるが、バッテリー駆動時間重視で、かつパフォーマンスも優れているマシンが欲しいのであれば、VAIO S13は選択肢の1つになるはずだ。
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