このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第359回

イエローが眩しい! ハイエンド性能が半額の「POCO F4 GT」は強力ゲーマー向けスマホ

2022年07月02日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 テクノロジー愛好家に向けたシャオミの新しいブランド「POCO」の第1弾として投入されるスマートフォン「POCO F4 GT」は、最新のチップセットを搭載してフラッグシップモデルと同等の性能を備え、ゲーミングに関する機能に力が注がれている一方で、販路を絞るなどして最も安いモデルであれば7万4800円からと、一般的なフラッグシップモデルの半額近い値段で購入できる高いコストパフォーマンスが特徴だ。実機をお借りすることができたので、その内容を確認していこう。

ゲーミングを意識したデザインは非常に個性的
側面のキー配置は動画視聴の際に注意が必要

 まずは外観だが、ディスプレーは6.67型で、サイズは約76.7×162.5×8.5mm、重量は210gと、Androidのハイエンドスマートフォンでは一般的な比較的大柄なサイズ感といえる。

「POCO F4 GT」の前面。6.67型の有機ELディスプレーを搭載した大画面スマートフォンで、フロントカメラ部分はパンチホールとなっている

 ただ背面のデザインは、「X」をイメージした非常に特徴的なデザインとなっており、片手で持った時の左右には滑りにくいよう溝があるのはうれしい。カメラ部分も同様のデザインで、着信や充電などの時に光る「RGBゲーミングライト」が備わっているほか、フラッシュ部分も「ライトニング」という独特のデザインだ。それに加えて側面の「マグネット式ポップアップトリガー」(詳細は後述)を考慮すると、かなりゲーミングを意識したデザインであることが分かる。

背面は「X」をイメージした非常に個性的なデザインで、写真の「サイバーイエロー」はとりわけインパクトがある。片手で持った時滑りにくいよう溝があるのもポイント

カメラ部分には「RGBゲーミングライト」が搭載されており、充電時などに光る仕組みとなっている。その下にあるのが「ライトニング」デザインのフラッシュだ

 側面を見ると、そのマグネット式ポップアップトリガーを搭載している影響もあってインターフェースはやや複雑だ。特に注意が必要なのは電源キーが右、音量キーが左と、左右それぞれ異なる側面に搭載されていることで、動画視聴のため画面を横にしてスマートフォンスタンドなどに置く時、必ずどちらかのキーが画面下に位置してしまい誤って押されてしまう可能性があるし、右側面にボタンが多い関係上、三脚などに装着するマウンターを取り付ける際の位置にも苦労する。そうした使い方を横置きする際は注意すべきだろう。

右側面には上下にマグネット式ポップアップトリガーが配置されており、中央に電源キーがある

音量キーは左側面に配置。ゲーム時のボイスチャット用に、こちらにもマイクが用意されている

 一方で、スピーカーは上下、画面を横に下時に左右の同じ位置に位置するようになっているし、左側面を下にした場合はスピーカーの位置が上にくることから、ゲームプレイ中にスピーカーを手で塞いでしまいにくい。マイクも同様に上下だけでなく右側面の3ヵ所に配置されており、高い音質でゲームを楽しみながらボイスチャットをするのにメリットとなるだろう。

本体下部には充電用のUSB Type-C端子を用意。左側にあるのはスピーカーだ

本体上部にも同じ位置にスピーカーを配置。横画面にした時左右対称にスピーカーが配置されるようになっている

120Hzや独自の冷却機能を備えヘビーなゲームも快適
L・Rとして使えるボタンはゲームによってはチート級に便利

 POCO F4 GTの最大の特徴は基本性能の高さだ。チップセットにはクアルコムのハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8 Gen1」を搭載しており、RAMは8GBまたは12GB、ストレージは128GBまたは256GB(モデルによって異なる)と、性能は非常に高い。

 ベンチマークやゲームなどでの性能も、同じSnapdragon 8 Gen1を搭載したものと大きな差はなく、AAAクラスのゲームで画質を最大限向上させてプレイしても快適に動作する。パフォーマンスが足りないと感じた時は、設定やゲーム専用の機能をまとめた「GAME TURBO」で「バランス」から「パフォーマンス」に切り替えることで、バッテリー消費は早くなるものの性能向上させることができる。

「Geekbench 5」のCPUベンチマークの結果

「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマークの結果

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」と、現時点では最高の設定にすることが可能だ

「原神」の画面設定はデフォルトで「中」。だが「最高」かつ60fpsに設定しても快適にプレイはできる

 それに加えてディスプレーも大画面かつ有機ELなので白や黒がはっきりした画作りであるし、リフレッシュレート120Hzのなめらかな表示を実現し、タッチ感度も通常の10倍の精度を誇るなど、高性能をフルに生かすゲーミングに適した設計となっている。

 一方で、ゲーミングで気になるのが発熱とそれに伴うパフォーマンスの低下だが、POCO F4 GTではデュアルベイパーチャンバーの搭載など独自の冷却機構「LiquidCoolテクノロジー 3.0」を搭載することで、発熱を抑えているという。

 実際にゲームプレイをして見た限りでは、確かにさまざまなゲームプレイしていても発熱によるパフォーマンスの大幅な低下は感じられなかったが、長時間プレイするとそれなりに端末は熱くなる。FPSを1試合、20~30分程度プレイする分には熱さが気になることはないが、RPGなどを数時間もプレイするような時はやや注意が必要という印象だ。

 そしてゲーミングという部分で特徴的な機能が、マグネット式ポップアップトリガーである。これは本体を横画面にした時に、ゲームのL・Rボタンとして利用できるもの。もちろんL・Rボタンをどの操作に割り当てるかは、ゲーム中にGAME TURBOを呼び出して自由に設定することが可能だ。

マグネット式ポップアップトリガーを使って「Apex Legends Mobile」をプレイしているところ。ボタンの効果はゲームによって自由に変えることが可能だ

 同様の仕組みはいくつかのゲーミングスマートフォンに用意されているが、マグネット式ポップアップトリガーが特徴的なのはメカニカルな要素が強いこと。トリガーを閉じた通常の状態ではボタンが本体に収納されフラットな状態となっているが、トリガーを左右に開くとボタンが現れ、その押し心地も良好だ。また開閉に磁石が用いられていることもあってか、スイッチを開閉する時の“スチャッ”という触感が心地よいのもメリットだと感じる。

ポップアップトリガーを閉じた状態。ボタン部分はフラットだ

トリガーを開いたところ。ボタンが飛び出しているのが分かる

 ちなみにマグネット式ポップアップトリガーはゲーム中以外にも使うことができ、カメラの起動や懐中電灯の呼び出しなどに活用できる。ただ好みのアプリを起動するなどの機能は備わっておらず、カスタマイズ性が弱い点は惜しいと感じてしまう。

マグネット式ポップアップトリガーはゲーム中以外でも利用は可能。ただし設定できる機能はかなり限定されている

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン