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山谷剛史の「アジアIT小話」 第166回

中国版YouTubeの動画サイト「YOUKU(優酷)」はなぜ衰退してしまったのか

2019年12月08日 12時00分更新

文● 山谷剛史 編集● ASCII

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バイドゥが検索を握っている中国では他傘下は厳しい
GoogleがAndroidを出さなかった「if」のネット世界

 中国のネット論壇でも、YOUKUがいつのまにか転落したのはなぜかという話題が見られる。iQiyiやテンセントビデオに比べ、使い勝手が旧世代的でお粗末だという厳しい意見があった。具体的には先に動画データをキャッシュしない、音声と映像がしばらくするとズレる、バイドゥで検索してもYOUKUが見つかりづらくなった、というものもある。それもそのはず。YOUKUはアリババ系のサイトであり、バイドゥはiQiyiを抱えている。パソコン向けからスタートしたサービスでありながら、中国において検索サービスはバイドゥが握っているため、YOUKUはあまりに不利なのだ。

阿里巴巴の展示会においてもYOUKUブースは隅においやられていた

 世界での例でも、YouTubeはGoogle傘下であるがゆえに、Androidにデフォルトでアプリが入っているし、Googleで動画検索すればYouTubeが出てくる。だが中国版YouTubeであるはずのYOUKUは、検索でも不利なら、iPhoneにしろAndroidスマートフォンにしろデフォルトでアプリが入っているわけではない。

 もしかすると、スマートフォンに特化されていない古臭いサイトという意味では、YOUKUだけではなく、YouTubeも実はそうなのかもしれない。しかし、パソコンでもスマートフォンでも身近であるがゆえに世界中の人がYouTubeに依存しているのではないだろうか?

 となれば、Googleがスマートフォン向けOSを開発していなければ、今の動画サービスの環境やトレンドはもっと変わっていたのかもしれない。ショートムービーのMusical.ly(同種サービスのTikTokによって買収)やニコニコ動画(自らのサービス開発力は別の話として)のような地域限定の動画サイトも生き残ったのではないだろうか。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」(星海社新書)。

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