AMDはE3 2019が開催さている会場近くで「AMD E3 Next Horizon Gaming Event」という記者会見を開催し、同社の最新製品となる「第3世代Ryzenデスクトップ・プロセッサー」(以下、第3世代Ryzen)の新情報を発表した。COMPUTEX TAIPEIで発表された5つのSKUに加えて、今回さらにRyzen 9 3950X、Ryzen 5 3400G、Ryzen 3 3200Gの3つのSKUが追加された。
特にRyzen 9 3950XはAM4ソケットのマザーボードで初めて16コア/32スレッドを実現する製品となり、9月に提供開始される予定だ。
AM4にも16コア/32スレッドのCPUが選択可能に、9月から提供開始
今回AMDが発表した第3世代Ryzenには以下の8SKUがある。
●第3世代Ryzenデスクトップ・プロセッサー
モデルナンバー | プロセスルール | コア/スレッド | TDP | 動作周波数 | 合計キャッシュサイズ | GPU | PCIe 4.0 レーン(X570利用時) | 市場想定価格 | 提供開始時期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 3950X | 7nm | 16/32 | 105W | 3.5~4.7GHz | 72MB | - | 40 | 749ドル | 9月 |
Ryzen 9 3900X | 7nm | 12/24 | 105W | 3.8~4.6GHz | 70MB | - | 40 | 499ドル | 7月7日 |
Ryzen 7 3800X | 7nm | 8/16 | 105W | 3.9~4.5GHz | 36MB | - | 40 | 399ドル | 7月7日 |
Ryzen 7 3700X | 7nm | 8/16 | 65W | 3.6~4.4GHz | 36MB | - | 40 | 329ドル | 7月7日 |
Ryzen 5 3600X | 7nm | 6/12 | 95W | 3.8~4.4GHz | 35MB | - | 40 | 249ドル | 7月7日 |
Ryzen 5 3600 | 7nm | 6/12 | 65W | 3.6~4.2GHz | 35MB | - | 40 | 199ドル | 7月7日 |
Ryzen 5 3400G | 12nm | 4/8 | 65W | 3.7~4.2GHz | 6MB | Radeon RX Vega 11 | - | 149ドル | 7月7日 |
Ryzen 3 3200G | 12nm | 4/4 | 65W | 3.6~4.0GHz | 6MB | Radeon RX Vega 8 | - | 99ドル | 7月7日 |
お詫びと訂正:掲載当初、Ryzen 3 3200Gの動作周波数とGPUに誤りがありました。ブーストクロックが「4.2」となっていましたが、正しくは「4.0」です。また、GPUは「Radeon RX Vega 11」となっていましたが、正しくは「Radeon RX Vega 8」です。関係者、読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫びするとともに訂正いたします。(2019年6月11日23:00)
COMPUTEX TAIPEIでは5SKUのみが発表されていたので、今回のE3の発表会で3SKUが追加されたことになる。追加されたのは最上位SKUとなる16コア/32スレッドのCPUとなるRyzen 9 3950X、下位のSKUでVegaベースのGPUを内蔵したRyzen 5 3400G、Ryzen 3 3200Gという2つのSKUとなる
その目玉は言うまでもなくRyzen 9 3950Xで、COMPUTEX TAIPEIでは12コア/24スレッドのRyzen 9 3900Xが最上位とされてきたので、さらに4コアも増えたことになる。ただし、3950Xだけは提供開始が9月になっている。他の製品は7月7日から提供開始であるのに比べるとやや遅くなる。
提供時期こそやや遅れるが、Ryzen 9 3950XはAM4ソケットのマザーボードで、16コア/32スレッドが実現することになる。1ソケットで16コア/32スレッドといえば、既にRyzen Treadripperで実現済みだが、Ryzen Treadripperは専用マザーボードが必要になるのに対して、Ryzen 9 3950Xは一般的なAM4ソケットのマザーボードでこれが実現できるのだ。
なお、第3世代Ryzen用にはX570という専用のチップセットを搭載したマザーボードが新しく販売開始になる。しかし、従来のAM4マザーボード(具体的にはX370/B350以降)でも、利用可能で、X570の特徴と言えるPCI Express Gen 4を除けば、BIOSアップデートなどは必要になる場合はあるがそのまま利用することが可能だ。