スマホとSIMは完全分離すべきなのか
11月19日、内閣府に設置された規制改革推進会議が「規制改革推進に関する第4次答申」を取りまとめ、安倍晋三総理大臣に提出した。そのなかで、モバイル(携帯電話)市場の競争環境についても触れられ、端末代金と通信料金の「完全分離」を促すよう整備すべきだと記されている。
この「完全分離」がスマホ業界に波紋を広げている。
某海外メーカー担当者は「完全分離が導入されたら、日本のスマホ市場は崩壊しかねない」と懸念する。日本でスマホが普及した背景にあるのは、「実質0円」やキャッシュバックによって、端末代金の負担を感じることなく、ハイスペックなスマホを手に入れられたという背景が大きい。
完全分離が徹底されれば、端末代金に対しての割引は一切なくなり、新しく機種を買う際には、端末代金そのままの値段で購入しなくてはならない。10万円以上するような機種であれば、購入に尻込みし、いままでの機種を使い続けるあるいは、安価なスマホで我慢するという人が増えるだろう。
政府としては、通信料金と端末代金を完全に分離し、端末への割引をやめさせる代わりに、その原資で通信料金を値下げさせ、菅官房長官が掲げる「4割値下げ」を実現しようという腹づもりなのだろう。
しかし、一般的なユーザーが「完全分離」を求めているのか、はなはだ疑問なところもある。
この連載の記事
-
第216回
トピックス
総務省の“アップルつぶし”か スマホ下取り価格規制 -
第215回
トピックス
クアルコム、経済圏拡大に“邪魔者” アームとの対立深まる -
第214回
トピックス
ドコモよりauとソフトバンクの体感品質が上がっている事実 -
第213回
トピックス
総務省がソフトバンクを刺しに来た? もう割引規制なんて撤廃すべきだ -
第212回
トピックス
「折りたたみスマホ」いまだに低調 欲しいと思える「何か」が足りない -
第211回
トピックス
KDDIローソン、狙いは“学生” 「無料ギガ」と「吊るし」でアピール -
第210回
iPhone
アップル「iPhone 16」シリーズ、オススメはこの2つ -
第209回
トピックス
スマホがどこでも買える今、ソフトバンクの“英断”は理にかなっている -
第208回
トピックス
通信品質の低下が指摘されるドコモ、大規模イベントで驚きの対策 -
第207回
トピックス
楽天モバイル好調のワケ 「三木谷キャンペーン」が金脈に -
第206回
トピックス
NTTドコモ「dアカウント」一から作り直した方がいいのでは - この連載の一覧へ