さとうなおきの「週刊アジュール」 第53回
「Azure SQL Database Managed Instance」が10月1日GA
MySQLとSQL ServerがAzureへのオンライン移行に対応、ダウンタイム低減
2018年09月05日 13時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2018年8月19日~8月25日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure App Service:SSL/TLS設定画面
Azure App Serviceは、Webアプリ、Web API、モバイルバックエンドをホストするためサービスです。
Azure Portal内の、Azure App ServiceのSSL/TLS設定のエクスペリエンスが、新しくなりました。
詳細は、ブログポスト「//DevTalk : App Service – SSL Settings Revamp」をご覧ください。
Azure Functions:Visual Studio for Mac 7.6
Azure Functionsは、サーバーレスアーキテクチャのFaaS(関数サービス)です。
macOS向けのIDE(統合開発環境)「Visual Studio for Mac」の最新バージョンである7.6で、Azure Functionsのサポートが強化されました。
Visual Studio for Macで、Azure Functionsプロジェクトのテンプレートが新たに追加されました。また、Visual Studio for MacのAzure Functionsプロジェクトから、Azure Functionsを発行できるようになりました。
詳細は、ブログポスト「Visual Studio for Mac version 7.6」をご覧ください。
Azure Service Fabric:6.3 CU1
Azure Service Fabricは、Windows Server/Linux上で動作するマイクロサービス・プラットフォームであり、コンテナーオーケストレーターでもあります。
7月にリリースされていたService Fabric 6.3のCU1がリリースされました。アップデートは、バグ修正が中心です。
詳細は、ブログポスト「Microsoft Azure Service Fabric 6.3 Refresh Release (CU1) Notes」、リリースノートをご覧ください。
Azure Cognitive Services:Speech SDK 0.6.0
Azure Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。
5月のBuild 2018カンファレンスで、新しいSpeech Servicesが発表され、プレビューが始まっていました。
7月にリリースされていた0.5.0に続いて、今回、Speech Services向けのSDK「Speech SDK」の最新バージョンとなる0.6.0が、パブリックプレビューとしてリリースされました。
このリリースでは、Windows/Linux上のJava、Linux上の.NET Coreがサポートされました。
詳細は、ブログポスト「Speech Services August 2018 update」、リリースノートをご覧ください。
Azure SQL Database:Managed Instanceが10月1日にGA
Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure SQL Databaseの一機能であるAzure SQL Database Managed Instanceは、オンプレミスのSQL Serverとの100%に近い互換性を持つデータベースサービスです。Azure SQL Database Managed Instanceは、現在プレビュー中です。
7月に、Azure SQL Database Managed Instanceが2018年第4四半期初めにGA(一般提供)になる予定であることが発表されていました。
今回、Azure SQL Database Managed Instanceが10月1日にGA(一般提供)になる予定であることが発表されました。
詳細は、ロードマップ「Azure SQL Database managed instance general purpose availability coming soon」をご覧ください。
Azure Database Migration Service:Azure Database for MySQLへのオンライン移行
Azure Database Migration Serviceは、データベースのAzureへの移行を支援するサービスです。
Azure Database Migration Serviceで、SQL ServerからAzure SQL Databaseへのオンライン移行、MySQLからAzure Database for MySQLへのオンライン移行が、プレビューになりました。最小限のダウンタイムでのAzure移行が可能になりますね。
詳細は、ロードマップ「Support for SQL Server to Azure SQL Database online migrations」、「Support for MySQL to Azure Database for MySQL online migrations」をご覧ください。
Azure HDInsight:Kafka 1.1、GシリーズVM
Azure HDInsightは、Hadoop、Sparkなどのマネージドサービスです。
Azure HDInsightで、6月のKafka 1.0サポートに続いて、Kafka 1.1がサポートされました。
詳細は、更新情報「Kafka 1.1 support on Azure HDInsight」をご覧ください。
Azure HDInsightで、GシリーズのVM(Intel Xeon processor E5 v3、最大32コア/448 GiBメモリ/6,144GiB SSD)を使ってHDInsightクラスターを作成できるようになりました。東日本リージョンでもサポートされています。
詳細は、更新情報「G-series VMs are available in Azure HDInsight」をご覧ください。
Azure Data Factory:Blob Stoargeのサービスプリンシパル/MSI認証
Azure Data Factoryは、データ統合サービスです。
Azure Data FactoryのAzure Blob Storageコネクターで、これまでサポートされていたアカウントキー、SAS(共有アクセス署名)による認証に加えて、サービスプリンシパル、MSI(マネージドサービスID)による認証がサポートされました。
詳細は、更新情報「Data Factory supports service principal and MSI authentication for Azure Blob connectors」、ドキュメントをご覧ください。
Power BI Embedded:Multi-geo
Power BI Embeddedは、Power BIで作成した対話型のレポートを、カスタムアプリケーションに埋め込むことができる、ISV/開発者向けのサービスです。
これまで、Power BI Embeddedの容量は、Power BIテナントがあるAzureリージョンにしか作成できませんでした。
今回プレビューになったMulti-geoのサポートを使うと、Power BIテナントがあるAzureリージョン以外のリージョンに容量を作成し、Power BIワークスペースを、その容量に割り当てることが可能になります。東日本リージョンでもサポートされています。
詳細は、ブログポスト「Multi-geo support (preview) for Power BI Embedded in Azure」をご覧ください。
Azure Site Recovery:異なるサブスクリプションへのDR
Azure Site Recoveryは、様々な環境のVMや物理サーバー間のディザスターリカバリー(DR)/移行サービスです。
6月に、Azure Site Recoveryで、異なるAzureリージョン間のVMのディザスターリカバリーがGAになっていました。
これまでは、同一のAzureサブスクリプション内で、ディザスターリカバリーが可能でした。今回、(同じAzure Active Directoryテナントに属する)異なるAzureサブスクリプションへのディザスターリカバリーがサポートされました。
詳細は、更新情報「Cross-subscription disaster recovery for Azure virtual machines」、ブログポスト「Cross-subscription disaster recovery for Azure virtual machines」をご覧ください。
Azure Security Center:VMブレードでのJIT VMアクセス構成、信頼度スコア
Azure Security Centerは、Azure リソースのセキュリティの可視化と制御を行うサービスです。
Azure Security Centerの「ジャストインタイムVMアクセス」を使うと、VMへの接続が必要な時にだけ、SSH/RDPポートをオープンし、リモート接続を可能にすることができます。
これまで、Azure PortalのAzure Security Centerブレードで、ジャストインタイムVMアクセスの構成が可能でした。今回、Azure PortalのVMブレードでのジャストインタイムVMアクセスの構成が、パブリックプレビューになりました。
詳細は、ロードマップ「Configure just-in-time virtual machine access from the VM blade」、ブログポスト「Reduce your exposure to brute force attacks from the virtual machine blade」をご覧ください。
Azure Security Centerで、アラートの信頼度スコアがパブリックプレビューになりました。信頼度スコアは、そのアラートが悪意のあるアクティビティによるものであり調査すべきものであるかどうかを示す、1から100までの間の数値です。
詳細は、ブログポスト「Respond to threats faster with Security Center’s Confidence Score」をご覧ください。
Azure DevTest Labs:パブリック環境リポジトリ
Azure DevTest Labsは、VMベースの開発/テスト環境の用意を容易にするサービスです。
Azure DevTest Labsで、パブリック環境リポジトリを利用できるようになりました。パブリック環境リポジトリでは、Azure Web Appsのウェブアプリ、Azure Service Fabricクラスター、SharePointファームの一連のVMといった環境を構築するための環境テンプレート(Azure Resource Managerテンプレート)が公開されています。
詳細は、更新情報「Azure DevTest Labs: Public environment repository in labs」、ブログポスト「Public Environment Repository in Labs」をご覧ください。
それでは、また来週。
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