さとうなおきの「週刊アジュール」 第14回
SQL Databaseの新CLI「mssql-cli」をOSSで公開
文章の意図を解釈するAI「LUIS」が名前を変えてGA
2017年12月22日 12時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Bot Service、Language Understanding(LUIS)がGA
Azure Bot Serviceは、チャットボットの開発フレームワーク「Microsoft Bot Framework」ベースのチャットボットをホストするためのサービスです。
Microsoft Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。Microsoft Cognitive Servicesの1サービスであるLanguage Understanding(LUIS) は、文章から意図を理解するカスタムモデルを構築できるサービスです。
9月のIgnite 2017カンファレンス、11月のConnect 2017カンファレンスで予告されていた通り、今回、Azure Bot Service、Language Understanding(LUIS)がGA(一般提供)になりました。これで、Azure Bot Service、Language Understanding(LUIS)を使うチャットボットのシステムについて、Azureサポートからのサポートが受けられ、SLAが提供された状態で使えるようになりますね。
Azure Bot Serviceのアップデートは、次の通りです。
- Azureポータルとの統合が強化されました。
- 利用可能なAzureリージョンが拡張されました。東日本、西日本リージョンはまだサポートされていませんが、既存の東南アジアリージョン(シンガポール)に加えて、東アジアリージョン(香港)でも利用可能になりました。
- 新しい「プレミアムチャネル」が発表されました。プレミアムチャネルには、Direct Line、Web Chatという2つのチャネルが含まれています。プレミアムチャネルに対しては、99.9%のアップタイムSLAが提供されるようになりました。
Language Understanding(LUIS)のアップデートは、次の通りです。
- 旧称の「Language Understanding Intelligent Service」から、Language Understanding(LUIS)に改名されました。
- Language Understanding(LUIS)ポータルがアップデートされました。
- インテント数の上限が80から500に、エンティティ数の上限が30から100に拡張されました。
- 利用可能なAzureリージョンが拡張されました。東日本、西日本リージョンはまだサポートされていませんが、既存の東南アジアリージョン(シンガポール)に加えて、東アジアリージョン(香港)でも利用可能になりました。
- フレーズ提案機能が、日本語をサポートしました。言語サポートの詳細は、こちらを参照してください。
詳細は、次のブログポストをご覧ください。
- 「開発者がより良い会話ボットを構築できるようにするAzure Bot Service、Language Understanding (LUIS) のGA (一般提供) を発表」
- 「Conversational Bots Deep Dive – What’s new with the General Availability of Azure Bot Service and Language Understanding」
- 「Cognitive Services LUIS & Azure Bot Service 一般提供開始」
- 「ブラウザーだけで設定&編集可能!Azure Bot Service による Bot アプリ作成」
Azure Storage:アーカイブストレージがGA
ストレージサービス「Azure Storage」の1機能であるBlob Storageは、オブジェクトストレージサービスです。
Blob Storageは、ホット、クール、アーカイブという、3つのストレージ層(アクセス層)を提供しています。アーカイブストレージ層は、ほとんどアクセスされず、180日以上保存され、数時間単位の待ち時間を許容できるデータの格納に適しています。アーカイブストレージ層は、3つのストレージ層の中で最も安価です。アクセス頻度が低いファイルの保存に最適ですね。
今回、アーカイブストレージ層がGAとなりました。現在は、北米、ヨーロッパ、韓国、インドの14リージョンでGAとなっています。東日本、西日本リージョンでのGAは、今しばらくお待ちください。
また、Azure Storageアカウントとして、これまで汎用アカウント、Blob Storageアカウントを利用可能でした。今回、既存の汎用アカウントがGPv1(General Purpose v1、汎用v1)アカウントに改名され、新たにGPv2(General Purpose v2、汎用v2)アカウントが追加されました。
アーカイブストレージ層は、Blob Storageアカウント、GPv2アカウントでのみ利用可能です。GPv2アカウントは、ブロックBlob, ページBlob、File、Queue、Tableといったすべての種類のストレージをサポートしており、すべての新機能をサポートしています。
詳細は、ブログポスト「Cloud storage now more affordable: Announcing general availability of Azure Archive Storage」をご覧ください。
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