日本でも注目を集めはじめたスマートスピーカー。
「Google Home」か「Amazon Echo」か、はたまたLINE の「Clova WAVE」かで、悩んでいる人も多いと思う。声で操作するという基本的なところは変わらない。ただしできることや音声認識/読み上げの精度には若干の違いがある。これらのプラットフォームのうちどれを選ぶかが第1の選択。
第2の選択は、どこのメーカーのハードを選ぶかだ。Google Homeが使うGoogle アシスタント、Amazon Echoが使うAlexaはサードパーティー製のハードも選ぶことができる。用途として音楽再生を中心に考えているのなら、音質の違いが重要なポイントになるし、大きさやデザインの違いもある。さらに屋外使用を見据えるならバッテリー内蔵のほうがいいし、防水・防滴性能があったほうが安心な面もあるだろう。
ここで紹介するJBLの「LINK 10」は、Google アシスタントに対応した製品だ。JBLはBluetoothスピーカーの開発に長けたブランドで、音質面でも一定の評価を得ている。LINK 10はバッテリーを内蔵し、IPX7相当(水深1mで30分間)の防水性能を備えている。アウトドアはもちろん浴室などでの利用も可能だ。
サイズは直径86×高さ169mmで、重量は710g。45mmのフルレンジスピーカーを2つ装備し、出力はそれぞれ8W。Micro-USB経由で充電し、バッテリー駆動で約5時間の使用が可能だ。Google HomeやAmazon Echoよりは少し大きいサイズだ。
Google アシスタントの機能はそのままで付加機能を持つ
LINK 10はGoogle アシスタント対応スピーカーであるため、基本的な機能はGoogle Homeと変わりがない。VoiceMatchの設定ができなかったが、音声フィードバックの声なども同じ。筆者もGoogle Home Miniを自宅で活用しているが、最初の設定から実際に使い始めるまでの手順もほぼ同じだ。
iPhoneとの組み合わせを中心に説明すると、まずWi-Fi経由でインターネットに接続できる場所でLINK 10の電源を入れ、スマホに入れておいたGoogle Homeアプリを起動する。そこからLINK 10を見つけ、順次設定を進めていく流れだ。
デバイスを利用する場所(部屋)、Wi-Fiパスワードの設定、利用場所の住所の入力などが完了すると利用できる状態になる。筆者のGoogle アカウントにはすでに何台かのデバイスが登録されており、Spotifyとの連携も済んでいるため、LINK 10の追加は比較的簡単にできた。
設定が済めば「OK Google……」と話しかけ、音声操作するだけだ。
基本的にはGoogle Homeでできることはすべて対応している。これに「JBLならではのサウンド」や「防水機能」「バッテリー駆動」などが追加された製品と考えればいい。Google Homeは、キャンペーンが実施されていて安価に買える場合もあるが、LINK 10の実売価格は1万6000円前後。Google Homeは1万円台前半なので大差ない価格でもある。
Wi-Fi接続でGoogle アシスタントを使用するだけではなく、Bluetoothスピーカーとしても利用可能だ。ハンズフリー通話はできないようだが、ほかは普通のBluetoothスピーカーと変わらない。また、Chromecast built-in搭載スピーカーであるため、Google アシスタントで音声操作ができない「AWA」などのサービスを利用する際、スマホで選曲して無線(Wi-Fi)でLINK 10に送るといった使い方ができる。仕様的には、96kHz/24bitのハイレゾ再生もできるそうだ。
外観を見てみよう。サイズ的にはGoogle Homeよりフットプリントはやや小さくかなり背が高い。Echoと比べた場合はフットプリントがほぼ同じで背が高い。側面はファブリック調になっている。ブラックのモデルだが、よく見ると黒と紺の糸を組み合わせている。
ボタン類の配置はGoogle Homeとは異なる。上部には音量調節用のボタン、Bluetooth入力の切り替え、再生/一時停止ボタンが十字上に並んでいる。その中央に音声操作を起動するためのボタンがあり、ここを押せば「OK Google」などのウェイクワードなしでも操作できる。
電源は背面の上部にあり、その下にマイクのオン/オフボタンがある。バッテリー残量は電源ボタンの上のLEDで確認できる仕組みだ。音声認識中はフロントの4つのLEDが白く光るが、マイクをオフにした場合はオレンジに光る。