kintoneの活用やカスタマイズの限界に挑戦にする名物LT大会「kintone hack」が、12月5日の「Cybozu Days Osaka 2017」でも開催された。6人の選手たちはチャットボットやAI、可視化、入力・出力、開発ツールなどさまざまなハックを披露し、kintoneの可能性を参加者に見せつけた。
大阪ももちろんテンション高め!6人の選手が登壇
大阪の一等地、グランフロントを会場に開催されたCybozu Days 2017。幕張メッセに比べれば会場は小さいが、テンションの高さでは大阪のkintone hackももちろん負けていない。黄色いジャケットでキメたサイボウズ kintoneプロダクトマネージャの伊佐政隆さんは、「なぜ人は限界に挑戦するのか? それは壁があるからです」の決め台詞でイベントをスタートさせる。
その後、実況を務める姫野つばさ嬢の甲高いアナウンスで、緊張に打ち震える6人の選手たちが壇上に上がる。プレゼンの後に会場の参加者が頭上に掲げたタオルの数をkintone野鳥の会がカウントすることで、点数が決まるといったルールの説明が行なわれ、いよいよプレゼンがスタートした。
チャットボットを成長させるCMSとして活用(田中潤さん)
トップバッターは「百獣のbot王」と紹介されたアイレット(cloudpack)で田中潤さん。サーバーレス開発を手がける田中さんは「すでに緊張で泣きそうです」と姫野嬢にいじられたものの、「明日、次男が産まれます!」と気合い十分で、チームで開発を手がけたLINE BOTについて説明した。
幅広いユーザーベースを誇るLINEをプラットフォームとして利用するLINE BOTだが、アイレットではこのLINE BOTをAWSのサーバーレス環境、kintoneを用いた管理サービスをパッケージ化。LINE BOTによる返信やアンケート・イベントでの配信、コメントや友達登録、アクセス負荷などの解析機能を提供するという。すでにMBS(毎日放送)の番組宣伝キャラクターである「らいよんチャン」のチャットボットが事例となっており、kintoneをキャラクターの会話内容やフレーズを追加・編集するCMSとして採用しているという。
具体的なイメージとして、田中さんはCybozu Daysのチャットボットを動画で披露。チャットボットで通知するイベントスケジュールやプッシュ通知の動作を見せつつ、kintoneでこれらをスケジュールやコメントを編集できる点をアピールした。田中氏は、kintoneにデータを集積・可視化することで、PDCAを回わすことが可能になり、チャットボットをより成長させられると説明し、セッションを終了した。会場の集計で93点を獲得し、もちろん暫定1位となった。
kintoneの入力をとことんハック!(安藤光昭さん)
2番目は「広島のダークナイト」であるビットリバーの安藤光昭さん。「広島なので赤が好きなのですが、(黄色い)kintoneも好き」という安藤さんの所属するビットリバーはWebシステムや業務システム、自社サービスのそれぞれでkintoneを活用しているという。
今回、安藤さんが持ち込んだのは、「kintoneの入力はもっと進化する」というネタだ。「kintone本体の柔軟性はもちろんですが、入口と出口も拡張性が高い実装がされています」と語る安藤さんにとって、kintoneの魅力は圧倒的な柔軟性。もともと入力に関してはExcelやCSVファイル、APIなどが用意されているが、安藤さんはなるべく手間なくデータを入力できる方法はないか模索した。「発生したその場で、作業者の負担を少なく、確実に入力できるのが理想的」とのことで、1年かけて試したkintoneへの入力を披露した。
まずは複数ユーザーで同時に書き込めるGoogleのスプレッドシート。アドオンを使い、スプレッドシートのデータをkintoneに入力できるものを開発した。また、SORACOMを活用し、センサーからkintoneに入力する方法を実現。さらにkintone上で動作するゲームも披露した。
実際のユーザー事例として披露されたのは、複数の現場を巡る内装業者のkintone活用。割り込み仕事が忙しく、日報や請求書を出し忘れることが課題だったというこの会社では、すべてのデータ入力を写真に変更。スマホで撮った写真は、住所と座標情報とともにkintoneにまとめて登録されるほか、スマートフォンの管理もkintoneで実現したという。Googleスプレッドシートへの入力やMDM(Mobile Device Management)としての活用など、なにげにすごい活用術を披露した安藤さんの得点は107点で、田中さんを超えてきた。