前回はリテンション施策/広告の概要や、実施における重要な点についてお話しました。
ざっくり振り返ると以下の内容です。
- アプリの新規ユーザは80%が3日でいなくなってしまう
- ユーザを維持/復帰してもらうためにリテンション施策が有効
- アプリ内/外で実施するリテンション施策の『目的・目標』を合わせることが重要
今回はリテンション施策の一つ、リテンション広告を解説します。アプリ外の施策で、ユーザの活用促進施策や、休眠復帰施策として使えます。
配信結果をデータで見られるため、オフラインイベントなどの他のリテンション施策に比べて施策の効果を評価しやすいことがメリットです。
リテンション広告で使用される代表的なセグメントを紹介します。
リテンション広告では、ユーザデータを活用してセグメントを作成し、そのセグメントに対して広告を配信します。
セグメント作成の方法から、リテンション広告の仕組みまで解説します。
リテンション広告の仕組み
アプリ内のイベントの箇所に広告効果測定ツールのSDKを実装することで、アプリ起動、課金、チュートリアル突破などのユーザのイベントデータが取得可能です。
取得したイベントデータを広告効果測定ツールから、アドネットワークやSNS広告などの広告配信プラットフォームに送ります。
adjustなら、「イベント連携」で設定します。adjustからTwitterへイベントデータを送る場合は下記の通りです。
この設定で、イベントデータをユーザID(IDFAやGAIDといった広告用の端末識別ID)とセットで、広告配信プラットフォームに送ります。
ユーザのイベントデータを受け取った広告配信プラットフォームで条件を設定し、セグメントを作成します。条件には、「~日以上休眠ユーザ」や「課金ユーザ」などがあります。
対象ユーザに広告が配信され、ユーザが広告をクリックしたり、動画を視聴したりしてアプリを起動するとリテンション広告の成果となります。
広告配信プラットフォームごとに作成可能なセグメント
広告配信プラットフォームによって作成できるセグメントが異なります。プラットフォームごとに設定できる条件が決まっているため、意図したセグメントを作成できない場合があります。
「nend」「Red」「Dynalyst」「twitter」「Facebook」の設定できる条件をまとめました。
リテンション広告は、広告配信プラットフォームごとに作成できるセグメントを踏まえた上でメディアプランニングをします。
最後に
リテンション広告の目的によって作成するべきセグメントが異なることで活用できる広告配信プラットフォームが制限されては、機会損失です。
「大型アップデート以前に休眠しているユーザに広告を配信したい」
「前回の大型イベント時に課金したユーザに広告を配信したい」
とのニーズに、今回紹介した方法では対応できないのです。
これらのニーズに対応するソリューションが「DMP」です。
次回はART DMPをはじめとしたDMPを活用することで、どんなことが可能となるのかを解説します。
(記事提供:D2Cスマイル)